東京電力福島第一原発から海へ流出した高濃度の汚染水に
含まれる放射性物質は、ほぼすべてが外洋に拡散してしまった可能性が
高いとの見方を、経済産業省原子力安全・保安院の関係者が明らかにした。
東電は流出を食い止めた5~8日後に、拡散を抑えるため
海に仕切りを設置したが、すでに大部分が外洋に出た後だったとみられる。
2号機取水口付近では4月2日朝、
コンクリートの裂け目から、放射性物質を高濃度に含む汚染水が
海に勢いよく流れ出しているのが見つかった。
止水剤を注入するなどした結果、流出は6日に止まった。
東電は発見前日の1日から止水した6日までに、計520トンが流出したと推計。
含まれる放射能量は約4700兆ベクレルで、
国の基準で定められた年間放出量の2万倍に相当する。
東電は止水後の同月11~14日、「シルトフェンス」と呼ばれるカーテン状の
仕切りを、1~4号機の取水口付近など計6カ所に設置した。
付近の海にたまっている放射性物質を囲い込み、沖に広がるのを防ぐため。
同月4日ごろから設置の検討を始め、実際の作業は悪天候で1日遅れた。
だが、保安院によると、
シルトフェンス内に今もとどまる放射能量は流出全量のごく一部。
海水の量や定期的に測定されている濃度から計算すると、
最も多く見積もっても100兆ベクレル程度という。保安院関係者は
「全体の流出量のほとんどが外洋へ拡散しきってしまったのだろう」と話す。
━─━─━─━─━─
記事全文⇒こちら