私の書籍にも書いてあるように、厳格な父でした。
多少の博打はしてましたが、法に触れるようなことはしません。
真っ直ぐで仕事一筋。
仕事が終わると何処へも寄らず、家に帰って来ます。
お酒は大好きでしたが、飲み屋に行くこともないです。
家で飲むだけ。
怖かった父でしたが、子供の頃にツラい過去があります。
大人になって聞かされました。
姉弟がいる中でお父さんだけが奉公に出され、親から見捨てられた…
勉強も一生懸命やって成績も優秀。
レベルの高い高校に受験も決まっていた。
受験当日に列車に乗る切符のお金をもらえなかったんです。
親からの愛情を受けてないお父さん…
子供の話しをしたがりません。
母から聞きました。
聞く度に涙が出てきます。
幼い時から働かせられて、勉強もして楽しい思い出なんか何一つなかった父…
気性の激しいお父さん
怒ってばかりのお父さん
欲しいお人形を買ってくれなかったお父さん
それでも、私が尊敬する人はお父さんなんです。
後ろ姿を見ていたはずなのに、道を反れてしまった私…
私の言い分もあります。
異常なほどに厳しすぎ。
原始時代の親かと思うぐらいでした。
何かあっても相談した事はありません。
(子供の頃)
お母さんはお父さんに逆らうことも出来ないので、
襖(ふすま)が少し剥がれてもバレないように隠してました。
機嫌が悪くならないように、余計なこと一つ言わないで隠してばかりの母。
そんな生活をして来ても別れない…
よく我慢できるな…
｢別れれば？｣
そんなふうに言ったことがあります。
私は大人になってから我慢を覚えました。
いろんな経験をしてきたからだと思います。
親の言うことも聞かず勝手に家を出て心配ばかり掛けてきました。
今になって、ようやくですが安心してると思います。
私は大丈夫。
数年前の私とは違うから。
何も怖いものはありません。
地震ぐらいかな…
心が強くなったから言えること。
お父さん、今まで心配ばかり掛けてごめんなさい。
ありがとう。
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姐さん「任侠」記には書いてない生い立ち