アントニオ・サリエリは告白のあと神父にこう告げる。
「あんたも同じだよ
この世の凡庸なる者の一人
私は その頂点に立つ
凡庸なる者の守り神(チャンピオン)だ
凡庸なる人々よ
罪を赦そう
罪を赦そう
汝らの罪を赦そう」
映画、アマデウスのラストシーンです。
私は時折、ふとこのシーンを思い出します。
大好きな映画は他にもいろいろありますが、いい映画はその人の年齢と共に感じ方も感想も変わり、その映画を通して自分の変化を確認できるものです。
「見ているもの」そのものは変わらないのに、年齢によって感じ方が変わるなんて、なんだか人生の流れみたいです。
大学生の頃、この映画を一緒に見た友人が「サリエリみたいにはなりたくないな」と言っていたことを思い出します。
性格ですよね、感じ方でその人のその後の人生まで予見できそうです。
私は・・どう感じたでしょう。
今となってはサリエリの「凡庸なる人々よ、罪を赦そう」という言葉に癒しを感じたりします。
いけませんね。
キダ・タローさんが亡くなったそうです。
「プロポーズ大作戦」、「ラブアタック!」、「出前一丁」、「かに道楽」・・・懐かしい曲ばかりです。
子供のころ・・それこそユーミンが歌うように誰かが愛を与えたり、夢をかなえたりしてくれた頃、聴いた曲ばかりです。
不思議ですね。
最近またアマデウスを思い出しモーツァルトをよく聞いていました。
モーツァルトの音楽は心穏やかになり落ち着きます。
子供の頃を思い出したりして。
そんな意味で、キダ・タローさんは間違いなく、浪速のモーツァルトです。
(チャーミングな曲を沢山ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。)