こんにちは!石田大顕です。
窓ガラスを叩く雨粒の動きをぼんやりと眺めていると私たちは普段いかに自分の視野が狭くなっているかに気づかされます。 上から下へとただ落ちていくように見える無数の水滴もよく見ると小さな埃や窓のわずかな凹凸にぶつかりながらそれぞれに異なる複雑な軌跡を描いて流れています。 予定通りに進まないことや思いがけない障害に出くわすことは日々の暮らしや仕事の中でもごく当たり前に起きます。 それをただの不運として片付けてしまうのは簡単ですがその曲がりくねったプロセスの中にこそ思いもよらない面白さや新しい発見が隠されていることが多いのです。 私たちはどうしても最短距離で正解にたどり着くことばかりを求めてしまいがちになります。 効率よく物事を進めることが良しとされる現代社会において遠回りをすることはどこか悪であるかのような錯覚に陥ってしまうのです。 しかし少しだけ視点を変えてみるとまっすぐな道だけが人生のすべてではないことに気づかされます。 予期せぬトラブルに直面して立ち止まったときに見上げた空の色や通りすがりの誰かの何気ない一言が心の澱みをきれいに洗い流してくれることがあります。 計画の途中で生まれる偶然のノイズや計画外の寄り道こそが私たちの経験をより深みのあるものへと変えてくれる大切なスパイスなのです。 形のないアイデアを形にしていく作業もこれとまったく同じだといえます。 はじめに思い描いた完璧な設計図通りにすべてがうまくいくことはむしろ稀で制作の途中でぶつかる壁や迷いこそが作品に独自の命を吹き込むことになります。 迷いながら悩みながら手探りで進むその一歩一歩にこそその人だけの本当の物語が宿っているのです。 今日という一日が昨日と変わらない単調な繰り返しのように感じられたとしてもほんの少しだけ心のアンテナを傾けてみると世界は驚くほど豊かな表情を見せてくれます。 難しく考える必要はありません。 ただ目の前で起きるささやかな出来事や思いがけない変化を面白がりながら味わい尽くすこと。 それだけで私たちの日常は十分にドラマチックで愛おしいものへと変わっていくのです。 これからもたくさんの景色に出会いながら自分なりの答えを探す旅をゆっくりと続けていきたいと思います。