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それから2年の月日が過ぎた。



国は、妙なうわさに包まれた。


南を流れる大きな川の

岸辺に生えるアシの事だ。


風が吹くたび音をたてる。


その音が


~王子さまの耳はロバの耳・・・

~王子さまの耳はロバの耳・・・


と言っているように

聞こえるというのだ。



王さまとお妃さまは

こっそり岸辺へ出かけた。


~王子さまの耳はロバの耳・・・


確かにそう聞こえる。

牢を確かめた。

誰も逃げ出してはいなかった。


とすると・・・。


西の床屋がお城に呼ばれた。


王さまとお妃さまと王子さま

だけがいる部屋で


西の床屋は全てを話した。


床屋が最初に呼ばれた時

忠告してくれた者がいるという。


「ふたりの床屋が戻ってきません。

もしもお城で何か見ても

何も見なかったと答えたほうが

いいでしょう。」


忠告どおりにして床屋は

戻る事ができたのだ。


けれど1年ほど黙っていると

目にした事を


しゃべりたくて、しゃべりたくて

たまらなくなってきた。


なんとか我慢していたが

寝言でしゃべらないかと

心配で、眠れなくなってくる。


次にお腹がふくれてくる。


しゃべりたい事が

お腹の中でふくらんでくる。


しゃべらなければ

死んでしまう。


けれど、しゃべると

これまた命がなくなる・・・。


すっかり顔色の悪くなった床屋に

前に忠告してくれた者がこう教えてくれた。


「岸辺のアシ原に穴を掘り

その中にしゃべりたい事をしゃべり

埋めてしまえばいいでしょう。

人にしゃべる訳ではありませんから

約束をやぶる事にはなりません。」


床屋はそうした。


すると、そのアシが育って

こうなった、というのだ。


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