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やがて男の子は
やさしく、かしこく
ひとの言葉をしっかり聞ける
王子さまに育った。
ただ、いつも帽子をかぶっていた。
そして妙な髪形をしていた。
無理もない。
いつも王さまとお妃さまが
髪の毛を切っていたから。
けれど王子さまもお年頃。
結婚相手を探すことになった。
まさか
この髪型でお見合いなんて。
床屋に頼むことにした。
この国には3人の床屋がいる。
東の床屋と北の床屋
そして西の床屋。
南に床屋はいない。
いたとしたらそいつはカニだ。
(南には大きな川があるからね)
東の床屋がお城に呼ばれた。
王子さまが帽子を取ったとたん
ロバの耳が現れた。
東の床屋はびっくりぎょうてん。
それでもなんとか、髪を整えた。
となりの部屋で王さまが床屋に尋ねた。
「なにか、変わったものをみたか?」
「はい。王子さまの耳は、ロ・・・」
最後まで言わせず
王さまは床屋を牢に入れた。
国の王さまになるはずの王子の耳が
ロバの耳だなんて知られたら
大変な事になる。
お見合い相手の娘に
王子さまは耳を見せた。
結婚するなら隠しておけない。
娘はぷっと吹き出した。
こらえようと思っても
笑いが止まらなかった。
王子さまの心は傷ついた。
隣の部屋で、お妃さまが娘にたずねた。
「何か、変わったものを、ごらんになって?」
娘は答えようとして
また吹き出した。
「プックック・・・。だって王子さまの耳ったら・・・」
最後まで言わせず
お妃さまは娘を牢に入れた。
国の王さまになるはずの
王子の耳が、ロバの耳なんて
知られると大変だからね。
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