“はーい!ほなまたねー!“



“はーい!おやすみなさーい!“





と電話を切った。


気付けば石田さんと朝の4時まで電話をしていた。




初めはぎこちなかったものの
お酒の力はすごいものでお互いよく話せていた。
話題が止まることなく5時間話し続けたのだ。




単独ライブのお礼と感想。
(ステージでの石田さんが輝いていたこと。全力が素敵だったこと。)


差し入れのお礼と感想。




石田さんの印象。
(暗いし、なんとなく怖いし、なんでお店に来るのか謎だったということ)
 

私の印象。




元カレの話。
(最近別れたということ)

元カノの話。
(ここでお店で石田さんがママに話していた内容が明らかになった)




好きなタイプの話。

好きなタイプの話。




家族の話。

家族の話。



関西弁の話し方のマネ。

私の下手な関西弁へのツッコミ。




書き出せないほどの事をキリがないくらい笑って話した。




この内容を詳しく書くのは
きっと石田さん
小っ恥ずかしいだろうから
何かしでかした時にでも

ここに特別編として
書くことにでもしよう。










そしてお食事の件。

最後の最後に思い切ってお話をした。





“この間メールでお食事誘ってもらったじゃないですか?
石田さんともっとお話してみたいとは思うんですが忙しそうだしお礼なんかは気にしないでください!“



そう伝えた。


すると途切れなかった電話の会話が途切れた。


(“え!?
なにかまずい事言った!?
すみません!なんかすみません!)



沈黙が長すぎる。


1分は経ってる。


ん???これ寝たか???




“おやすみなさーい...“













よく考えたらお疲れのところ
こんなに長い時間付き合わせてしまった。



私は静かに電話を切ろうとした。






その時。


      















“あのっ!!“





単独ライブ以来の
石田さんの張りまくっている
大きな声が聞こえた。




“は、はい!“





“…敬語!辞めませんか?“














え?そこですか?
石田さん今もめちゃくちゃ敬語ですけど…




“え、あ、はい。…あ、うん!“


とっさに答えた。
急に今までの弾んでいた会話はなくなり
電話を始めた頃のぎこちなさにお互い戻っていた。



“ありがとう。あの。。“



まだなにか言いたそうだ。





“なに???“


思い切って敬語を辞めて問う。



   










“明日仕事終わった後
お食事でもどないですか?


なんかまだ敬語な気がするけど…






“うん。行こか!“


“やっぱ下手やなぁ“



と2人で笑った。


気づけば断ったはずのお食事に行くことになっていた。




いや、この時にはもう、、


石田さんとお食事に行きたい
思っていた自分がいた。





“楽しみにしてるね“


“はーい!ほなまたー!“


“はーい!おやすみなさーい“




と電話を切った。







次の日(今日)。


仕事を時間内に終わらせ
急いで石田さんにメールをする。



ラブレター
“終わったよ“




ラブレター
“おつかれさん“




ラブレター
“どこで待ち合わせる?“



ラブレター
“お店の奥のパチンコ屋の裏で“



ラブレター
“はい!今から行くね“






そして待ち合わせをし

石田さんが現れた。




“おつかれさまですー。“



“あ、おつかれさまです!“




“行きましょか。“



“あ、はい。“



完全に敬語になっていた。


とても昨日5時間話した2人とは思えない程の距離感と会話。



あれは夢だったのか???



早歩きの話しかけにくい背中に必死についていく。




そして着いた場所は
お洒落なワインバーだった。




あれだけ電話で話して
似てるところあるなぁなんて
感じてしまったけど

そうだ、よく考えたら
この人芸能人なんだった。



そりゃワインバー来るよね。

私が行く高架下の居酒屋のような場所とは違って
やっぱワインバーに来る人なんだよね。













そんな事を考えていると
お店に入る前に私の中で
一気になにかが冷めてしまった。



つづく。


ほいでは!