今から9年前。


私が19歳の時に
父が居酒屋をオープンした。


違う居酒屋でバイトしていた私は
父の居酒屋で一緒に働くことになった。


カウンターが10席と
テーブル席が3席ある
小さな居酒屋だ。



オープンから3日間は
知り合いをたくさん呼んで飲みに来てもらった。
いわゆるプレオープンってやつをした。


その中で新規のお客さんもちらほら入って来てくれる。


私は常連さんでも新規のお客さんでも態度は変えない。

提灯居酒屋のような飲み屋だからお客さんともとてもフランクに話す。



有難いことに立ち飲みにもなるくらいの満員御礼の状態。

色んな会話が飛び交って飲み屋ならではの最高の空間がお店を更に盛り上げる。



22:00頃
そろそろラストオーダーの時間。


ゲラゲラと酔いが回ったお客さん達の笑い声がお店に響く中
一人の常連さんが私に声をかける。



“あゆみちゃん!お客さんだよ“



“えーもうすぐラストだよ!
いらっしゃい!何名様ですか?“









一人です“


これが石田明さんとの
初めての出会い、会話となった!




カウンター奥が1席空いている。


“奥どーぞ!“


“あ、ありがとうございます“



・・・どう見ても暗い!!!

プレオープンの日に来るテンションじゃないくらい暗い!!!

お店の今のこの空気感に全く合っていないほど暗い!!!


もちろんこちらは良いけれど
お客さん、
ここに入ったのミスった!って
絶対思ってるよね?の表情。


“生ください“


申し訳なさそうに伝えてくる。



“あいよっ“



と居酒屋テンションで返す。









“おつかれさまでーーーす!“

と生ビールをカウンター前にどんっっ!



い、いただきます


と小声でカウンターに手を伸ばし生ビールを受け取る石田明さん。





【第一印象】

くっっらー!!

テンション低!

暗いよ!暗いよ!

とりあえず

まぁ飲んで

くださいな




でした。笑






そして私、

本当に申し訳ない事に


石田明さんを














この時はまだ知らなかった。。













つづく。



ほいでは!