ハンマーレールパンク です。
スタインウェイ(ハンブルグ製)
1966年製のA型。

スタインウェイのアクションフレームには3つのレールがあります。
ハンマーレール、レギュレチングレール、サポートレールです。

今まで見て来た中では、ハンマーレールのパンクが1番多いと思います。
残りのレールも割れる事はあります。

割れてしまうと、ハンマーの根元のフレンジが上がって取り付け角度も変わってしまいます。

結局、まともな整調(タッチの調整)が出来なくなり、タッチのばらつき、ひどいとハンマーの2度打ちなど、色々支障が出て来ます。

アクションを引き出す際にも、ドロップスクリューの頭がピン板の下側に当たってしまい、傷も付きますし、ドロップスクリューも削れて来ます。

こうなってしまったら、レール交換するしかないのですが、高さ前後、角度のすべてが揃わないと、元の状態にはなりません。

修理を相当数こなされている方でも、なかなか上手くいかなかったりでかなり難しい様です。

近年では、アクションフレームごとそっくり交換をする方が、あとあとの事を考えますと、無難であるのでフレーム交換が良い様です。 

一度、スタインウェイ技術者立ち会いの元、一緒にフレーム交換をしましたが、結構シビアな作業になります。
とても勉強になりました。

修理はかなりの金額がかかるので、ユーザーさんの負担も多くなりますね。

元々はレールの中にブビンガと言う硬い木材が使用されていますが、湿気の多い所にある状態だと膨らんで割れてしまう、
と言う事になります。

ニューヨークスタインウェイは、メープルを使用していて、こちらの素材の方が割れにくい様です。

ブビンガはもう伐採に規制がかかっている様で、今後は使用できない為か、ハンブルグ製にもメープルが使用され始めている様です。

スタインウェイは音もタッチも素晴らしいですが、修理となると無茶苦茶高いですね。

新品も半端なく値上がりしてますから、お金持ちにしか買えないピアノになっています。