春の風 | 石橋光のメジャー7th

石橋光のメジャー7th

幼少の頃よりギターを弾き始め、中学生の頃より作詞、作曲活動をスタート。
2007年春、大学卒業後、本格的な音楽活動を開始。
現在楽曲制作活動と共に、ライブ活動を積極的に行っています。

春の風の匂いをかぐと、なんか心がクラクラとしてしまいます。


何か切ない感じが、襲ってくるんです。


昨日とか、一昨日とか、やばくて。


何かの匂い。


梅の花?


梅か?匂うのは。


だとしたら、梅が好きだ。


梅の匂いを乗せた強い風が吹き荒れて、心をさらって、いつも心が置いてある土台の砂を巻き上げる。


何か思い出す。


卒業、入学、クラス替え、転校生、新しい担任、制服。


過ぎた時間たちが語りかけるようにしてすぐそばまでやってきて、今を止める。


さよならしたつもりのなかった過去の自分がいたこと、自分と別れて、自分と出会って、繰り返して、今は、今の自分と一緒にいるんだということ。

その今の自分といることが、少し心細いこと。


明日からはまた寒いみたい。


寒くて、さらに梅の匂いがしてクラクラして、どうなっちゃうんだろう。


「今」は自転車みたいで、こいで走ってたらバランスとれるけど止まっちゃったらフラフラして倒れちゃう。


だから「今」を止められちゃうと何かと困る。


梅の花の香りは、今を止めてしまう。


切なくなってる場合じゃないのに。