今回の巡検で採集できた標本はわずかな数しかありませんでしたが、その中でのベスト2つを今日載せます。

最初の物は、題とは関連しないのですが、大きな完品が採れずにいて、50㎜を超える程度の完品はいくつか採集できているのですが、70㎜を超えるような完品が欲しくて通っているようなものなんですが。

今回は、少し期待をしていたのですが、矢張り60㎜には届かず,58.2mmと残念な結果の終わりました。

其れでも、とても魅力のあるフォルムを持った標本ですので御開帳といたしました❕

先ずは現地で見つけた状態。

 

 

持ち帰った状態

隠れている部分に期待をしたのですが、

 

残念!

 

 

 

 

さて、飯岡層で採集したイトマキツムバイの仲間についてなんですが、飯岡でも、とてもレア種に入れても良いと思っているのですが、まずはヒラノイトマキツムバイの産出は間違いありません、そして、イトマキツムバイとヒラノイトマキツムバイを分ける大きな特徴として螺肋の数があるようです。

イトマキツムバイでは次体層で8本、体層部で20本、ヒラノイトマキツムバイでは、次体層で7本、体層部で15本。

本ブログ20220710、イトマキツムバイ ん、?、で載せた標本は次体層の肋数が10~11と多く、イトマキツムバイでもヒラノイトマキツムバイでもないのではと書いたのですが、今回、採集した標本の中に、25.2mmと小型ではありますが、保存も良く、ほぼ完品でした。

この標本の画像をParatodusさんに送り見てもらったのですが、ヒラノイトマキツムバイの幼貝ではということでしたが、螺肋の数が次体層で8~9本、体層部で22本以上あり、私個人的には、イトマキツムバイの幼貝ではと思いました。

 

 

 

今回の巡検後最初に行ったクリーニングが、このイトマキツムバイ系の個体でしたが、その後しばらく何もしない日が続きましたが、ネットでイトマキツムバイを調べたりはしており、その中でチビイトマキツムバイの仲間の論文などがあることに気づき、見比べたりしていたのですが、自分自身で勘違いをしていたことに気が付きました!

 

過去に少々異なったものが出ても不思議ないと、約100万年前の化石なのだからと前には承知していたことが、現生の標本ばかり比較していたもので、いつの間にか、違っている、おかしいとなってしまっていました。

100万年の時が過ぎているのです!

化石での分帯が100万年単位までしかできず、100万年は進化の一単位ともいわれてきました。

改めて、化石を見ていることを念頭ににして考えなければならないと思いました。

 

今回の結論

この産地でAulacofusus属は3種されている。

〔イトマキツムバイ、ヒラノイトマキツムバイ、肋の多い不明種〕