地中海式ダイエットが心臓疾患予防によいことは知られていたが、脳にもよさそうかもしれない。
今月号の医学専門誌「神経学」によると、地中海ダイエットは脳の血管障害を予防し、脳卒中や記憶障害などのリスクを低減させる可能性があるという。
地中海式ダイエットは赤身の肉やスイーツ、精白パンや精白米などの精製穀物を控え、野菜、果物、魚介類、全粒粉、ナッツ、オリーブ油や適度のアルコールなどが中心となるが、今回のリポートは、このダイエットが脳内の微小血管に与える効果を研究した初めてものとなった。
従来の研究でも、地中海式ダイエットをきちんと行えば、心臓疾患や脳卒中のほか、アルツハイマー病などの認知障害のリスクを低減させることが示されていた。
今回のリポートを発表したのはマイアミ大学(米フロリダ州)とコロンビア大学(ニューヨーク)の研究グループ。「ノーザンマンハッタン研究」に参加している1000人近い人を対象に食物に関する質問事項の回答を分析した。調査対象となった人は、どの程度理想的な地中海式ダイエットをしたかによって分類された。
研究者は、磁気共鳴画像装置(MRI)を使い、調査対象となった人たちに大脳白質病変(脳内の微小血管などに障害が起きている状態)がないか調べた。これらの障害は無症候性脳卒中を引き起こす可能性があり、将来、認知機能に悪影響を及ぼしかねない。
研究によると、最高の地中海式ダイエットを行った人は全般的にMRI検査で大脳白質病変の割合が最も低かった。
また、脂肪の種類も関係しているようだ。オリーブ油に多く含まれる一価不飽和脂肪を多く消費する人は脳内の大脳白質病変が最も少なかった。
ただ、研究者の1人であるマイアミ・ミラー大学のクリントン・ライト准教授は、地中海式ダイエットを行えば、脳疾患が余り起きないことを証明するものではなく、今後の研究も必要としている。ただ、脳内の微小血管保護には有効な可能性があるという。
出典:ウォール・ストリート・ジャーナル日本版