デジタルの特長はいくつかありますが、それらを大づかみに言えば「速い、安い」だと言えるでしょう。


 まず速いこと。手紙を例にとりましょう。従来からの手紙だと、たとえば東京から九州に送ろうとすると1~2日かかります。でもデジタルの電子メールだと、ほぼ光の速度で到達し一瞬です。

 最近では、誰もが動画を撮ったり観たりするのが日常になっていますが、動画がデジタル化される前の2000年頃まではビデオテープに録画して、やりとりしていたものです。当時、1時間程度の動画を送ろうとすると、テープにダビングして、それを宅急便などで実際に送っていたのです。とても手間と時間がかかるので、普通の人はほとんどやってなかったと思います。それがいまでは、スマホで写真を撮るのと同じ要領で動画を撮影できて、それをLINEやeメールなどに添付して送るだけです。一瞬ですし、誰でもできます。実際に、イベントの記録や子供の映像を送り合っている方は多いことでしょう。


 次に「安い」。これが一番恩恵のある特長かもしれません。これを実現してくれるデジタルの基本特性はコピーが簡単に、瞬時にできることです。たとえば、写真を例にみてみましょう。
 最近のデジタルカメラ(デジカメ)は1回の充電で100枚以上の写真が撮れますが、それらのコピーは一瞬とは言わないながら、数分もあれば完了するでしょう。特にお金もかかりません。フィルムと印画紙の時代には、写真屋さんに出して数日と数千円かかっていたのに比べると隔世の感です。おかげで何枚でも気軽に撮ることができ、「数打ちゃ当たる」で素人でもけっこういい写真を撮れるようになりました。

 

 もう1つ、それらに加えてその作業が正確だということも大きな利点です。アナログの場合は、コピーするとかならず品質が落ちるのはコピー機などでご存知の通りですが、デジタルの場合はオリジナルとコピーに差はなく、まったく同一のものが複製されます。そしてそれは何度でもいくつでもまったく同じです。これがデジタルとアナログの本質的な違いと言えるでしょう。

 

 上記の、桁違いの速さ、安さ、正確さがデジタルの本質的特性で、それらが組み合わさってデジタル革新の原動力になっています。

 

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