平面バッフル実験工房 -Open Baffle Test Lab- -10ページ目

平面バッフル実験工房 -Open Baffle Test Lab-

平面バッフルとフルレンジスピーカーが大好き。いい音めざして試行錯誤

コーラルが世界に挑戦したフルレンジとして知る人ぞ知るBETA-8。1968年に発売されたそうだ。恐ろしく切れがいいのと、強烈なハイ上がり特性で使いこなしがむずかしいと言われている。

 外観

大き目のダブルコーンとセンターの星型のディフューザーが目を引く。

 

強力そうなセラミックマグネット、強固なフレームで安定感がある。

 

コーン紙には4本のコルゲーションがある。

 

フリーエッジ。製造後50年以上経っていると思うが、まったく問題ない。

 

金属製のディフューザー。これが音の広がりにいい影響をしているように思う。

 

F特

以下はWaveSpectraを使い、竹平面バッフルに装着した状態で、軸上1mで収音した結果だ。

ハイ上がりの特性。500Hzくらいから15KHzくらいは高い音圧レベルで安定している。ただ500Hz以下は急激に低下し、100Hzあたりは1KHzより10db以上低い。これが使いこなしをむずかしくしている。

視聴感想

一聴してわかるのが、音圧が高いことと、すばらしくヌケがいいことだ。私はヌケのいい音が好みなのでAltecが好きなのだが、Altecでもヌケがいいと思う403Aと比べてもこのBETA-8のほうがさらに上をいっている。私が知っている限りでは、世界一ヌケのいいユニットだと思う。(ちなみにヌケのいい音とは、要素として反応が早く、分解能が高い音だと私は思っている)

それとハイ上がりではあるが、よくあるハイ上がりとは違い艶を感じる、さらに言えば生命力を感じるような音がする。600Hzと8KHzのピークに理由があるのかもしれない。

もう1つ長所がある。音が大きく広がって聴こえ、音場がとても豊かなことだ。どのユニットより楽器が外側で鳴っている。もちろん定位が悪いのではなく、定位はちゃんとセンターで止まっているのにだ。
ハイ上がりなので普通の箱だと低音不足になるし、平面バッフルではなおさらだが、このユニットにはそれを超えた魅力を感じる。

(fin)