「あんた、アホなんじゃないの?!」

「お前なんかと結婚すべきじゃなかった!」

「君を生まなければ良かったわ!」

「もう出て行って!」

「パパなんて大嫌い!」

感情をコントロールできなかったために、
思わぬことを勢いのあまり言ってしまい
傷つき、傷つけ、大事なものを失って
しまうことは誰にでも起りえます。

家庭が平和でなくなったり、
セックスレスになったり、
子供をぶって虐待してしまったり。

大事な人を傷つけてしまったり、
上司に嫌われてしまったり、
友達を失ってしまったり。

ケンカに巻き込まれて自分がケガをしたり、
ひどければDVなどで警察に逮捕され、
家族、仕事、社会的地位、人生の実に
すべてを失うことだってあります。

これだけリスクが高いのに、
人は、なぜ怒ってしまうのでしょう?

なぜ、わたしはあんなに好きな彼に
対してこんなに憎たらしい感情を
おぼえるのでしょうか?

なぜ、上司と喧嘩すると絶対に
昇格できないとわかっている
にもかかわらず、むかついてしまう
のでしょうか?


すべての生き物には自己防衛機能、
何か危険を感じたら自分を守ろうと
する本能があります。

人間の場合は、「闘争・逃走反応」
と言って、「ストレスのかかる事態に
対処するための自律神経系の働き」
があります。

つまり、危ない!と感じたら、
「戦うか、逃げるか」の反応が
0.01秒という超速で働き始めるのです。

医学的には脳の「へんとう体」
という部分が刺激され、一気に
アドレナリンという物質を大量に
体内にリリースします。

スキーやローラーコースターで
すごいスピードを出した時や、
やむや交通事故を逃れた時や、
ものすごく怒った時。

こういう時に感じるスリルとも
言えるほどの強い刺激こそ、
アドレナリンの働きです。

このアドレナリンがあるからこそ、
子供に危険が及びそうであれば喧嘩を
して自分がケガをしてでも守ろうと
いう勇気が出てくるのです。

このアドレナリンの働きにより、
何か危ないものに追われていれば
普段より早足で逃げられるし、
火事で重い家具を動かしてまで
逃げたり、人が救助できる。

生き物として、ほかの人間や動物、
状況として危険そうであれば戦って
身を守るのか、逃げるか、と
自律神経系が自動的に作動するのです。

たとえばすぐに走れるように、
両足に一気に血が流れ込むため、
頭が少し軽く感じたり、手が
冷たくなったりしたことはありませんか?

さらに、「戦おう」とやはり
0.001秒のスピードで決めて
しまうと、次のようなしるしが
あらわれます。

体の筋肉に緊張が走る
こぶしを握り締める
歯を食いしばる
心臓がばくばく言う

ほかにも頭が痛くなったりする人もいます。

ところが、状況をはっきりと理解し、
正常な判断を下すのは「へんとう体」
ではありません。

実際に状況を正しく把握し、
逃げるべきか、戦うべきか、
実は何もしなくてもいいのか、
区別するには平均して6秒かかります。

しかし、森で熊に出くわした時に、
6秒も逃げようか、戦おうか、
果たして本当に危ないのだろうかと
考えていては熊のエサになって
しまいます。

自然の中や、事故や火事の時は、
まさにへんとう体のおかげで
1秒未満という短時間で身を
守れるのです。

けれども、現代人として旦那や
奥さん、子供や友達、同僚や
上司、お客様などが相手であれば
へんとう体は厄介なものです。

たいていの生活において、1秒以内に
戦ったり、逃げたりする必要はなく、
むしろ勘違いや早とちりしてしまう
確率が高くなります。

たいていは実際は、喧嘩する必要も、
逃げる必要もありません。

しかし、多くの人はこのへんとう体
のスイッチを切れずにいるために、
あとで後悔するようなことを
言ったり、したりしてしまいます。

つまり、へんとう体をコントロール
できるようになれば、あなたも
怒りをコントロールできるようになる
わけです。

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