「立春に最も近い新月の日」が旧正月ならば、大正月(おおしょうがつ)は太陽暦の現在の正月、小正月は「太陰暦1月15日の満月の日」を年の初めとする正月です。
明治5年(1872)に太陽暦が採用されてからも長い間、民間の一般家庭では太陰暦による昔からの正月を祝い、官庁や学校などでは太陽暦の正月を祝うという二重生活が行われていました。
村の太陰暦の休み日と違って正月休みなどは太陽暦だったので不都合が起こり、結局太陽暦にまとめるしかなくなり、特に正月行事だけに限って太陽暦を採用したという地域が昭和初期ぐらいまではあったようです。
小正月にはとくに農作に関係の深い行事や呪法が行われました。
この一年が豊かな実りであるようにとの期待をこめて、作物のさまざまな実りの姿を座敷いっぱいに模擬的に飾り立て、豊作や多産を願う餅花(もちばな)や繭玉(まゆだま)などの行事、一年の穀類の出来具合を占う年占、幸福の神の化身としての子供や青年が家々を回る異形者来訪などがありました。