日敬上人が発見した板本尊は、長さが約75センチ、幅が約45センチ、厚さが約1.5センチの板で、大きさに似合わず固くて重い霊木だったようです。(『江戸名所図会』には梨板となってます)

板の片面には、中央に「南無妙法蓮華経」のお題目、その両脇には両尊四菩薩のお名前と法華経薬王品の経文が彫られ、もう片面には、右手に剣を持ち、左手を開いた怒りの相をあらわした帝釈天が彫刻されていて、除病延寿、悪魔降伏のお姿とされています。

帝釈天はもとはバラモン教の武勇神でしたが、仏教に取り入れられて仏法守護の神となりました。

もし仏教を信仰するものに災難がふりかかることがあれば、必ずや帝釈天が出現して、悪魔を除き退散させるということを意味しています。



ふだんは帝釈堂拝殿に上っても遠くからしかお参りできませんが、60日に一度の庚申の日には内陣にまで入れ、板本尊のすぐ近くまで行くことができます。

前に参拝したときは、お坊さんの読経が続く中、ガラス越しでしたが、御本尊のすぐ目の前で参拝することができました。

昔から信者さんにお姿を刷って授与したため表面は黒くなっていましたが、掛け軸の幅ぐらいのお身体と衣のひだははっきりと分かり、刷られた御尊影では到底感じることのできない、目に見えない迫力に圧倒されました。



帝釈堂