初詣に行くと、露店の店先に新しい年の暦が並んでいるのをよく目にします。
ページをめくると、その年の祝日や行事や方位盤、簡単な暦の見方の解説があり、次に1月から12月までの毎日のカレンダーが続きます。
その日の干支や九星、日柄と行事、旧暦や大安や仏滅などの六曜に加え、「たいら」「さだん」などの十二直、「井」や「鬼」といった二十八宿、「月徳」「神吉」などの日並(ひなみ)の吉凶などのあまりなじみのない欄がありますが、それらについての詳しい解説がこの『万暦大成』には載っています。
たとえば年の方位盤には、歳徳神(としとくじん)や歳禄神(さいろくじん)などの吉神や、大将軍や大金神(だいこんじん)などの凶神が八方位のどこかに配さ;れますが、それらの神様の御姿や神話、宿る方位の解説が載っています。
上の絵は、その年のすべての徳を司るといわれる歳徳神の御姿ですが、この女神様がいらっしゃる方位は恵方と呼ばれ、その方角に向かって行動することはすべて大吉で、幸福になり災いを避けることができる、とされています。
現代でも節分には恵方を向いて太巻きを食べます。
人相のページには、目・鼻・口など顔の各パーツの解説や、高貴な相、金持ちの相、幸福な相などさまざまな顔立ちの特徴が列挙されています。
「多くの人の顔をよく見て記憶し、昔の名人の人相学と照らし合わせ、時と場に応じてその人の吉凶禍福を判断すべきである」と書かれています。
手相は現代ではほとんど使われない東洋式手相術で解説されています。
感情線が天紋、知能線が人紋、生命線が地紋と呼ばれていて、見方もまったく異なっていますが、これはこれでよく当たっています。
そして、この『万暦大成』は平成の今に至るまで読み継がれる大ベストセラーとなり、現在も発行されています。



