明けましておめでとうございます。

この浮世絵は名所江戸百景の「霞かせき」で、霞が関坂から東京湾を見降ろしたお正月の風景を描いています。

絵を眺めていると、今にも江戸の人たちの息遣いが聞こえてきそうで、そこが名所江戸百景の魅力のひとつにもなっています。

まるで絵の中に自分が入り込んでいって、画中の人々と会話できるような錯覚にとらわれます。


そんな気持ちを一層押し進めてくれるのが、今回紹介する『EDO‐100 フカヨミ!広重「名所江戸百景」』(堀口茉純著 小学館)です。

江戸文化歴史検定1級を最年少で取得した著者が豊富な知識を駆使して、「江戸百」に隠された広重の謎を解読していきます。

そのプロセスはまるで推理小説を読んでいるような興奮を覚えます。

さらに、たくさんの書物の中から選りすぐった絵画や写真が当時の生き生きとした庶民の生活を感じさせ、江戸時代にタイムスリップしたような気分にさせてくれる名著です。


EDO-100: フカヨミ!広重『名所江戸百景』/小学館
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