池のほとりに「児盤水の滝」の案内板が立っていた。

それによると、

―昔この愛宕の地に児盤水(又は小判水)と云う霊験あらたかな名水が湧き出ていました。 承平三年平将門の乱の時、源経基と云う人がこの児盤水で水垢離をとり愛宕様に祈誓をこめ神の加護により乱を鎮めたと云うことが旧記にのっています。 然し現在では昔を偲ぶものとてありません。幸い都心に聳え立つ緑の名跡
愛宕山にゆかりも深い児盤水の名をとどめ昔を偲び東京の新名所として御参詣の皆様に神のお恵みと心の安らぎを得ていただければ幸いと存じます―

とあった。

しかし、史実はそれと違っていて、源経基が乱の平定に向かう前にすでに将門は追討されている。 

ただ、平安の昔から、この地は“戦勝祈願の場所であった”ということはいえるでしょう。