JR浜松町駅北口を出てすぐ目の前の大通りを左折し、10分ぐらい歩いていくと、浄土宗大本山増上寺の「三解脱門」が見えてきます。
三解脱門とは三つの煩悩「貪(むさぼり)、瞋(いかり)、痴(おろかさ)」を解脱する門のことで、この門をくぐるとこれらの煩悩から解放されると言われています。
江戸時代初期の木造建築のため現在は登れませんが、江戸から明治にかけては楼上に上がれたため、江戸の人々に絶大な人気を誇る観光地になっていました。
高い所からの眺望を楽しむ風潮は今も昔も変わらないようです。
門の上からの眺めは、途中に視界を遮る高い建物がなく、現在の第一京浜に重なる東海道や、その先の東京湾まで見渡せる絶景のポイントになっていたそうです。
また、上方から東海道を歩いてきた旅人にとっても、増上寺の建物が目に入ると、江戸に着いたことを実感できたのでしょう。
そのような江戸の入口に位置していたために、宗教上の役割のみならず、江戸守護のための軍事上の防衛拠点の役割も担っていた
のではないでしょうか。
