先日，息子とコンビニに行ったときのことです。
レジの横に小さなテーブルがあり
そこに乗っていた「キャラパキ発掘恐竜チョコ」
というチョコレートのお菓子がありました。
これ↓
箱から溢れ出しそうで
いかにも落ちそうだったのですが
案の定，息子が少し触れただけで
１つ落ちました。
私は，息子に落としたチョコを指して
「それを買いなさい」と言いました。
すると，息子が
「どうして？」と聞くので
「あなたが落としたからだよ」
と答えると，息子はすぐに納得して
落としたチョコを買いました。
家に帰って開けたら案の定割れていたけど
息子は何も気にせずに食べていました。
自分が落とした物を買う。
ほとんどの人はそうすると思います。
そして，我が子にそう教えると思います。
だけど，ふと，そのときのレジの人が
外国人だったのですが
その人がどうこうというのではないんだけど
もしかすると，落ちたチョコを元に戻して
落ちてないチョコを買うという
そっちが当たり前の国もあるのかな
と考えました。
私は，あまり外国に行ったことがないから
日本以外の国のことはよく知らないけど
日本だったら，当たり前でも
日本以外だったら当たり前でないことって
たくさんあるから，もしかしたら
これが当たり前でない国もあるかもしれないな
と思ったのです。
そして
同じようにする日本人の場合でも
「周りの目を気にして」
「いい人ぶって」
「いい人ぶらないといけない」
「ちゃんと躾しているように見せなきゃ」
とか，一部の人にとっては
こういうことが道徳の強制
のように感じて窮屈さを感じている
という場合もあるのかな，と思いました。
だけど，これって
そういうことではないですよね。
だって，誰が見ていなくても
私は，そうするし，息子にそう教える。
それが「お天道様が見ている」
という感覚なんじゃないかなと思うんです。
そして，お天道様が見ていなくても
私が見ている，私を。
私は，息子に
「あなたはどんな生き方がしたいの？」
「あなたはどんな大人になりたいの？」
と問いかけるんだけど
（いつもというより，説教するとき，笑）
要するに，自分がどんな人間でありたいか
ということだと思うんです。
だから
「いい人でありたい」
ということは
「いい人だと思われたい」
ということとは，全く別
だということです。
周りにいい人だと思われたいから
善い行いをするのではなくて
自分が善い人間として生きていきたいから
善い行いをするんです。
検事時代に，カップルで
覚醒剤を買うお金欲しさに
車上荒らしを繰り返していた
事件がありました。
初めは覚醒剤容疑で職務質問され
まあ，態度は悪いし否認するし
というような被疑者でしたが
あるときから，全ての罪を認め
何百件という車上荒らしの犯行を
全て自供しました。
どうして自白したのかを被疑者（女）に聞くと
「検事さん，この言葉知ってる？
『天網恢恢疎にして漏らさず
（てんもうかいかいそにしてもらさず）』って」
…すみません，学がなくて
「え？どういう意味」
被疑者
「えー？やだーーー！！！
検事さん，知らないの〜〜〜？？？」
と言って意味を教えてくれました（恥っ）
取調べ担当の刑事さんに
教えてもらったんだって。
警察に発覚していない犯行も
警察に発覚しないだろう犯行も
話さなければバレないこともわかっている，と。
話せば罪が重くなるだろうことも
わかっている，と。
それでも，全てを話して
刑務所に入って
人生をやり直したいんだと
キラキラした目で話してくれました。
人の人生において
こういう場面に立ち会うことができるから
検事という仕事が好きでした。
いつでもやり直せる。
いつでも心を入れ替えて
真人間になれる。
真っ当な人生を歩むことができる。
私は，そんな人間の魂の強さを信じたいです。
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