『思いつきで書いてます』#65
毎日ショーがあり出番も一つだけではないので、早着替えなどもあるので楽屋に戻るヒマもなく舞台袖で着替える事がほとんどだった
所詮はショーパブ、雑居ビルの一角で本物の劇場とは違う
ステージの出ハケは下手一ヶ所だけ、しかもそこには共同トイレがある
これは昼間ビル内にある印刷会社など使っている古びたトイレでそこのドアを開けっ放しにして通路として使っていた
そして私の着替え場所だが夜間は会社は閉鎖されてるので階段やら廊下を利用していた
他の若い従業員も段ボール箱に自分たちの衣装小道具入れてスタンバイする
もちろん古いビルなので冷暖房はなく、特に冬は辛かった寒空のなかで着替えるのと同様だった
そしてその日も人目につかないよう着替えていたら、急に廊下の電気が消えた
様子を見に電気のスイッチがある場所に行くと
「!?」
そこには白髪の小さな老婆の姿、私は驚き思わず壁に貼りついて息をころした。
つづく