『思いつきで書いてます』#56
実はこのショーパブはそこそこの老舗で早い時間はサラリーマンやOLでごったがえしていた
先ほどの美容部員を筆頭に次々と客が入ってくる
「いらっしゃいませー!」
最初はぎこちない挨拶もだんだんと慣れてきた
その日は週末だけにあっという間に満席になった
私はまだ見習い期間なので簡単な仕事からやらせてもらっていた
当然ショーにもまだ出れないのでピンスポットの係になった
そしていよいよショータイムの時間、店内にアナウンスが響きわたる
トイレに行く人、オーダーを注文する人 私はショータイム前の灰皿交換に向かった
新しいガラスの灰皿を抱え各テーブルを回っていたら、手を滑らせ重ねていた灰皿を落としてしまった。ガラスは割れテーブルは灰だらけで客の視線が集中する中私はとりあえず近くにいた男性客に頭を下げた
「スミマセンでした!お怪我はありませんか?」
私は必死でお詫びした、するとその客は
「ったくよう…」
その客は蔑むように吐き捨てた
私は目を合わせないように吸い殻を集めた
初日から辛いめにあった、前途多難だ…。
つづく