確率の問題には特有の難しさが存在し、それが受験生の頭を悩ませる原因となっています。
今回は前回に引き続き、
確率の問題を苦手とする受験生を対象に、何を勉強すれば良いのか、問題を解くときに意識すべき点は何か、
ということを説明していきます。
確率の問題は、他の分野とは少々異なる頭の使い方が要求されています。
これを読んで、『確率』を制覇する術を学んでほしいです!
では早速前回の続きである3つ目から』紹介していきます。
3.排反・独立には注意しよう
確率を少し難しくしている原因として、排反や独立という考え方があります。
まずは、独立と排反の意味をしっかり理解し、区別することが出来るようにしましょう。
排反と独立は互いに、2つ以上が互いに干渉しない時に使う言葉ですが、
確率において使う時には明確な区別があります。
図示したので、2つの違いを確認してみてください。
ちなみに、試行とは、サイコロを1回振るなどの実験や観測のことを言い、
事象とは、試行によって起こる結果のことです。
それを踏まえて、排反と独立をそれぞれ見ていきましょう。
排反事象とは、1回の試行で、事象Aと事象Bが同時に起こらない時のことを言います。
例えば、バナナ4個とリンゴ3個のうち、同じ果物を3つ取り出す確率を求める時に、
全てがバナナである事象Aと、全てがリンゴである事象Bは、排反事象です。
ちなみに、上図で図示したように、事象Aと事象Bが排反事象なら、2つを足し合わせることができ、
P(AUB)=P(A)+P(B)
になるのです。
つまりこの場合では、
全てがバナナである事象Aと、全てがリンゴである事象Bを足し合わせて
になります。
2つ以上の試行が互いに影響を及ぼさない時、それらの試行は独立であると言います。
2回サイコロを投げる時に、1回目は5以上、2回目は3以下の目が出る確率を求める場合などが
このパターンに当てはまります。
1回目が2が出ようが、6が出ようが2回目のサイコロの目には影響しません。
このような時は、独立な試行と言えます。
この時の公式は以下になります。
独立な試行S、Tにおいて、Sでは事象Aが起こり、Tでは事象Bが起こるという事象をCとすると・・
P(C)=P(A)P(B)
今回の例では、1回目と2回目の確率を掛け合わせるので・・
になります。
4.いつも「真面目な」解法で正面突破しようとする
確率の問題はいつも「真面目な」解法が良いわけではありません。
これも、例題を用いて説明します。
【例】コインを4回投げるとき、少なくとも1回裏が出る確率はいくらか。
確率の問題に慣れている人であれば、この問題は一瞬で解けます。
それは『余事象』という考え方を理解しているなんです。
キーとなるのは「少なくとも1回」という語です。
「少なくとも1回裏が出る」の否定は「1回も裏が出ない」ですが、
この確率なら容易に計算できることに気づきますよね。
すなわち、どの試行でも表が出れば良いので
と簡単に計算することができる。
あとはこの値を1から引いてやれば良いのです!
否定の事象のことを余事象と言いますが、この問題は余事象を考えると楽になる典型的な例です。
もちろん、裏が1回出る確率、裏が2回出る確率、…
という風に各々計算して合計するという真面目な解法もありうるし、
それは決して誤りではないです。
しかしどちらの解法が賢いかは明らかですよね。
このように、確率の問題では問題に即して色々な解法で
攻めるというのが重要になってきます。
いつも「真面目な」解法で正面突破するというのは、
この確率においては損をする場合が多いので注意です。
確率の問題に苦戦していた人は以上の4つの原因で解けなかったのではないでしょうか?
確率は、他分野とは少々毛色が異なるため苦手とする人が多いです。
数学が得意でも確率が苦手、という受験生すら見かけるほどです。
ですが、確率問題にも二次関数と同様にパターンがあります。
ですので、頻出問題を数多く問題を解いていくことが大切になっていくのです!
とはいうものの、場合の数、確率の分野は演習だけしても、
イメージができてなければなかなか解けるようにはなりません。
なので、今からサイコロを振って実験してみてください。
求める確率は、自分で決めて大丈夫です。
結果ではなくイメージが出来ることが目的なので。
必ず演習の際に役に立つはずです!
さて、前回、今回と確率についてお話してきました。
演習量が増えると次第に点数も上がってくるので
欠かさず繰り返し演習頑張ってください!
最後までお読みいただきありがとうございました!
次からは数ⅡBのベクトルについてお話していきますので、
そちらもぜひお読みください!