自作の仏像を被災地の寺に寄贈

(5月30日下野新聞 朝刊)

 【宇都宮】屋板町の仏師、青木政之さん(76)が東日本大震災の被災地、宮城県石巻市の「三国山 洞仙寺」に木彫りの仏像を寄贈する。「仏像が流された寺もあるのではないか」と、現地のボランティア団体「NPO石巻復興サポートセンター」に問い合わせたところ、洞仙寺を紹介された。青木さんは近く、現地に出向き、仏像に目を入れる開眼法要を行う予定だ。

 42歳から独学で仏像づくりに打ち込む青木さん。これまでに弥勒菩薩や不動明王、千手観音など約50体を彫った。彫刻部門でとちぎ文化祭の最優秀賞、宇都宮市民芸術祭の秀作などで入賞する腕前。

 虚無僧の寺として有名な京都・明暗寺から僧の免許と「空禅」の竹号を受けた。尺八の腕前も免許皆伝。「虚無僧の姿で寺を巡り、仏像を贈ることが長年の夢だった」といい、これまでに和歌山県や東京都内の寺に仏像を納めている。

 今回の寄贈はこうした活動の延長線上という。「被災地では仏像が津波に流され、困っているのではないか」と思い立ち、震災前から彫る準備をしてきた「聖観音菩薩立像」(高さ98センチ)を約1年掛けて完成させた。