SIERA LEONE だより
こんにちは SIERA LONEの渡辺です。
本日より秋の読書週間として ISBITスタッフおすすめBOOKをご紹介していきます。
ショップスタッフやブランドのデザイナー、プレス等 ISBITで働いているスタッフが
普段どのような本を読んだり、イメージソースにしたりしているか知って頂きたいと思います。
1回目の今回はSIERA LEONEの渡辺よりお送りします。
私のおすすめの本はこちらです。
「ぶらんこ乗り」(いしいしんじ・新潮文庫)
“いしいしんじ”という作家さんは
こちらの「ぶらんこ乗り」が初の長編小説です。
読み始めるとぐいぐいと
その独特な世界観に惹きこまれてしまいます。
文体もとても読みやすく、小説が苦手な方にもおすすめです。
ぶらんこが上手で、つくり話をつくるのがとっても上手な弟と
姉の話。
弟が残した古いノートを見つけるところから物語は始まります。
ほとんどが姉の語り口調で物語が進みますが
弟の書いた小さなものがたり達が
沢山ちりばめられています。
その中の1つに“手を握ろう!”というものがあります。
生まれてからずっと空中でくらしてきた
2人のぶらんこ乗りの夫婦の話です。
「わたしたちはずっと手をにぎってることはできませんのね」
「ぶらんこのりだからな」
「ずっとゆれているのがうんめいさ。けどどうだい、すこしだけでもこうして」
「おたがいにいのちがけで手をつなげるのは、ほかでもない、すてきなこととおもうんだよ」
“手をつなぐ”という事がこんなにかけがえのない瞬間になる事ってあるでしょうか。
何気ない会話の様ですが、
この夫婦は対照的なものの見方をしているなと感じます。
奥さんは一時しか触れ合えない事を少し不満に思っているように思います。
でも夫はその“つなぐ”事に、奥さんとの特別な絆のようなものを見つけているように思います。
お互いが同じ思いで危険を顧みず、ただ“手をつなぐ”。
その対照的なものの見方はある意味、
男性と女性の考え方の違いのようにも見えて面白いな、と感じました。
常に同じ様な日常を過ごしていると
いつのまにか、記憶の隅っこに追いやられてしまう感情が
たくさんあります。
今は特に情報が多い世の中で
考えなくても頭の中は常に新しいものが流れ込んできてしまいます。
この本を読むと
そんな隅っこの感情たちが心の奥底からいっきに溢れ出てきて
凝り固まった喜怒哀楽が
やわらかくなっていきます。
そうやって思考を柔軟にしていくことで
また新しい発見と出会えたり
なにかを生み出していけるのだと思います。
皆さんもぜひこの機会に
本と向き合ってみてはいかがでしょうか。
本日より秋の読書週間として ISBITスタッフおすすめBOOKをご紹介していきます。
ショップスタッフやブランドのデザイナー、プレス等 ISBITで働いているスタッフが
普段どのような本を読んだり、イメージソースにしたりしているか知って頂きたいと思います。
1回目の今回はSIERA LEONEの渡辺よりお送りします。
私のおすすめの本はこちらです。
「ぶらんこ乗り」(いしいしんじ・新潮文庫)

“いしいしんじ”という作家さんは
こちらの「ぶらんこ乗り」が初の長編小説です。
読み始めるとぐいぐいと
その独特な世界観に惹きこまれてしまいます。
文体もとても読みやすく、小説が苦手な方にもおすすめです。
ぶらんこが上手で、つくり話をつくるのがとっても上手な弟と
姉の話。
弟が残した古いノートを見つけるところから物語は始まります。
ほとんどが姉の語り口調で物語が進みますが
弟の書いた小さなものがたり達が
沢山ちりばめられています。
その中の1つに“手を握ろう!”というものがあります。
生まれてからずっと空中でくらしてきた
2人のぶらんこ乗りの夫婦の話です。
「わたしたちはずっと手をにぎってることはできませんのね」
「ぶらんこのりだからな」
「ずっとゆれているのがうんめいさ。けどどうだい、すこしだけでもこうして」
「おたがいにいのちがけで手をつなげるのは、ほかでもない、すてきなこととおもうんだよ」
“手をつなぐ”という事がこんなにかけがえのない瞬間になる事ってあるでしょうか。
何気ない会話の様ですが、
この夫婦は対照的なものの見方をしているなと感じます。
奥さんは一時しか触れ合えない事を少し不満に思っているように思います。
でも夫はその“つなぐ”事に、奥さんとの特別な絆のようなものを見つけているように思います。
お互いが同じ思いで危険を顧みず、ただ“手をつなぐ”。
その対照的なものの見方はある意味、
男性と女性の考え方の違いのようにも見えて面白いな、と感じました。
常に同じ様な日常を過ごしていると
いつのまにか、記憶の隅っこに追いやられてしまう感情が
たくさんあります。
今は特に情報が多い世の中で
考えなくても頭の中は常に新しいものが流れ込んできてしまいます。
この本を読むと
そんな隅っこの感情たちが心の奥底からいっきに溢れ出てきて
凝り固まった喜怒哀楽が
やわらかくなっていきます。
そうやって思考を柔軟にしていくことで
また新しい発見と出会えたり
なにかを生み出していけるのだと思います。
皆さんもぜひこの機会に
本と向き合ってみてはいかがでしょうか。