レポート2
2008年3月3日(月)3月8日(土)の6日間、イタリア・フィレンツェに研修に行かせて頂きました。そこで触れてきたもの、学んだ事等、ご報告致します。
フィレンツェはイタリアのトスカーナ州フィレンツェ県に属する人口約45万人の都市です。
古代ローマ時代、花の女神“フローラ”の町としてフロレンティア(Florentia)と名付けた事が語源とされています。500年以上も昔の風景をそのまま残しているかのような街並みには、至る所に歴史的建築物や彫刻があり、街角のふとした風景からも芸術の香りが漂ってきます。
研修期間中は多くの美術館や教会を訪れました。
高い天井に細やかな絵が一面に描かれ、置かれているキャンドルや十字架などどれをとっても、静かで際立った存在感がありました。
個人的にとても魅了されたものは「天井画」です。あまりに高い所に描かれているので肉眼では細かく鑑賞出来ませんが、アーチ型の天井の360度すべてにあます所なく聖書のストーリーが描かれていました。他にも実在する動物や架空の動物、天使やユリの紋章、フルーツなど、色あざやかで光と影までちゃんと表現されていました。なぜ天井にこれほど美しい絵を描くのか(下からはよく見えないのに)、天井でなければいけなかったのか、描いた人の気持ちを知りたくなりました。

天井画に限らず、教会や美術館にあった絵画にはたくさんの色が使われていました。
1つの色を1色では表現せず、いくつもの色を塗り重ねて作り上げている事が印象に残りました。キリスト画の中では光を「gold」で表現するそうです。マリア様は必ず美しいサーモンピンクの洋服にすこしグレーがかったブルーのマントをはおっています。優しい雰囲気の絵にはペールトーンの色味を、悲しそうな絵にはグレーや暗い色を混ぜて描かれており、色のもつ深い意味を今後調べたいと思います。
個人的に感銘を受けた「フラ・アンジェリコ」の絵画も、その天才的な色使いがとても素晴らしく、じっくり眺めているとキリストに対する愛が伝わってくるような気持ちになりました。
“フラ”というのは「修道僧」という意味のようですが、彼はまた「ベアート・アンジェリコ」(神に祝福されたアンジェリコ)とも呼ばれていました。人間としても聖者のように清純で、素朴、人間味にあふれている人だったと言われています。絵筆を取る前に必ず深いお祈りを捧げ、キリストの?刑図を描く時には涙が頬をぬらさないことはなかったと言います。彼の絵画は600年以上も昔の1400年代に描かれているものが多く、これだけの時を超えても胸に響く絵画を実際に間近で見る事ができ、非常に感動しました。
「作り手から生み出されたものはその作り手そっくりになる」と教えられたことをアンジェリコの絵画を見て再実感しました。
GUARDIANの企画をしている際も常にお客様の目線に立ち、本当に喜ばれるアイテムなのか,永く愛されるアイテムになるのかどうか真剣に考えて制作をしています。洋服に愛情をこめ、その想いを鈴にのせて、お客様に幸せが届くように願っています。流行廃りが異様に早いアパレル界ですが、修正・見直しを何度もかけながら完成に至るまでのプロセスを大切にし、純粋な気持ちで真剣に取り組んでいけば必ず想いは届くと信じています。
アンジェリコに限らず、壮大な天井画を描いた人も、石を積み重ね歳月をかけて歴史的建築物を作り上げた人達も、文化遺産ともなるようなフィレンツェの街を守っている人達からも同じような想いを感じました。
他にも街には素敵なデザインに溢れていました。
カフェで目にした時計のデザインや飲み物のラベル、ショーウィンドウに飾ってあったお菓子のパッケージ等、文字のフォントや空間バランスなど勉強になることばかりでした。企画にダイレクトに生かせるようなデザインも多くあり、日頃では思いつかないような配色バランスなど多くの事柄を学びました。

ドゥオモ(『神の住む家』という意味)と呼ばれる大聖堂の内部に430段の階段があり、やっとの思いでのぼると、頂上からフィレンツェの町並みを一望する事ができました。古代の面影を偲ばせる土地は、そこに立つだけでふしぎな時間の重みを感じました。建築物や石畳の道等、人の手によって積み上げられたモノですが、いにしえの時を経て現代に受け継がれた風景はどこか万象を超えたエネルギーに満ちていました。
フィレンツェには何百年の時を超え、愛され、守られてきたものが沢山あります。作り手が愛情を注ぎ完成されたものは、国境を超え、多くの人の心に響いていました。この研修ではモノ作りにおいての姿勢や想い、その真髄に触れる事が出来たのだと思います。ここで学んだ事、ふれてきた事を次の秋企画に生かし、今後も「愛され続ける、求められるモノ作り」をしていきたいと思います。ありがとうございました。

フィレンツェはイタリアのトスカーナ州フィレンツェ県に属する人口約45万人の都市です。
古代ローマ時代、花の女神“フローラ”の町としてフロレンティア(Florentia)と名付けた事が語源とされています。500年以上も昔の風景をそのまま残しているかのような街並みには、至る所に歴史的建築物や彫刻があり、街角のふとした風景からも芸術の香りが漂ってきます。
研修期間中は多くの美術館や教会を訪れました。
高い天井に細やかな絵が一面に描かれ、置かれているキャンドルや十字架などどれをとっても、静かで際立った存在感がありました。
個人的にとても魅了されたものは「天井画」です。あまりに高い所に描かれているので肉眼では細かく鑑賞出来ませんが、アーチ型の天井の360度すべてにあます所なく聖書のストーリーが描かれていました。他にも実在する動物や架空の動物、天使やユリの紋章、フルーツなど、色あざやかで光と影までちゃんと表現されていました。なぜ天井にこれほど美しい絵を描くのか(下からはよく見えないのに)、天井でなければいけなかったのか、描いた人の気持ちを知りたくなりました。

天井画に限らず、教会や美術館にあった絵画にはたくさんの色が使われていました。
1つの色を1色では表現せず、いくつもの色を塗り重ねて作り上げている事が印象に残りました。キリスト画の中では光を「gold」で表現するそうです。マリア様は必ず美しいサーモンピンクの洋服にすこしグレーがかったブルーのマントをはおっています。優しい雰囲気の絵にはペールトーンの色味を、悲しそうな絵にはグレーや暗い色を混ぜて描かれており、色のもつ深い意味を今後調べたいと思います。
個人的に感銘を受けた「フラ・アンジェリコ」の絵画も、その天才的な色使いがとても素晴らしく、じっくり眺めているとキリストに対する愛が伝わってくるような気持ちになりました。
“フラ”というのは「修道僧」という意味のようですが、彼はまた「ベアート・アンジェリコ」(神に祝福されたアンジェリコ)とも呼ばれていました。人間としても聖者のように清純で、素朴、人間味にあふれている人だったと言われています。絵筆を取る前に必ず深いお祈りを捧げ、キリストの?刑図を描く時には涙が頬をぬらさないことはなかったと言います。彼の絵画は600年以上も昔の1400年代に描かれているものが多く、これだけの時を超えても胸に響く絵画を実際に間近で見る事ができ、非常に感動しました。
「作り手から生み出されたものはその作り手そっくりになる」と教えられたことをアンジェリコの絵画を見て再実感しました。
GUARDIANの企画をしている際も常にお客様の目線に立ち、本当に喜ばれるアイテムなのか,永く愛されるアイテムになるのかどうか真剣に考えて制作をしています。洋服に愛情をこめ、その想いを鈴にのせて、お客様に幸せが届くように願っています。流行廃りが異様に早いアパレル界ですが、修正・見直しを何度もかけながら完成に至るまでのプロセスを大切にし、純粋な気持ちで真剣に取り組んでいけば必ず想いは届くと信じています。
アンジェリコに限らず、壮大な天井画を描いた人も、石を積み重ね歳月をかけて歴史的建築物を作り上げた人達も、文化遺産ともなるようなフィレンツェの街を守っている人達からも同じような想いを感じました。
他にも街には素敵なデザインに溢れていました。
カフェで目にした時計のデザインや飲み物のラベル、ショーウィンドウに飾ってあったお菓子のパッケージ等、文字のフォントや空間バランスなど勉強になることばかりでした。企画にダイレクトに生かせるようなデザインも多くあり、日頃では思いつかないような配色バランスなど多くの事柄を学びました。

ドゥオモ(『神の住む家』という意味)と呼ばれる大聖堂の内部に430段の階段があり、やっとの思いでのぼると、頂上からフィレンツェの町並みを一望する事ができました。古代の面影を偲ばせる土地は、そこに立つだけでふしぎな時間の重みを感じました。建築物や石畳の道等、人の手によって積み上げられたモノですが、いにしえの時を経て現代に受け継がれた風景はどこか万象を超えたエネルギーに満ちていました。
フィレンツェには何百年の時を超え、愛され、守られてきたものが沢山あります。作り手が愛情を注ぎ完成されたものは、国境を超え、多くの人の心に響いていました。この研修ではモノ作りにおいての姿勢や想い、その真髄に触れる事が出来たのだと思います。ここで学んだ事、ふれてきた事を次の秋企画に生かし、今後も「愛され続ける、求められるモノ作り」をしていきたいと思います。ありがとうございました。
