Vadret Tellor 冬の京都への旅 | ISBIT DAIKANYAMA

Vadret Tellor 冬の京都への旅

こんにちは。Vadret Tellor ディレクター/デザイナー
の山岸です。


以前も京都出張へ行きましたが、その時、時間がタイトでゆっくりと見られなかった最も心に残った場所である伏見稲荷大社にもう一度行ってみたいと思い今回の出張先に決定しました。

 
南禅寺の参道にある純和風建築(私の部屋は増築した新館でしたが)の京懐石と庭園が素敵なお宿に宿泊しました。


チェックイン後、南禅寺に向かいます。



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こちらは江戸時代建立の重要文化財の南禅寺『三門』です。
どっしりとした立派な作りで木の彫刻が施されていました。
 
 

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三門を抜けさらに奥へと進みます。


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南禅寺の奥にレンガ作りの水路閣という明治時代に作られた建造物を見つけました。こちらは西欧技術が日本に伝えられた初期に日本人のみの手で設計、施工した土木技術市場最も貴重であると言われているそうですが、驚いた事にこちらは水路ではなく、立派な交通機関で、この上に水を通し、船で人や荷を運んだそうです。


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苔むしたレンガに真冬に咲くショッキングピンクの花が歴史と西欧を感じさせました。



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この後、銀閣寺を目指しましたが、日が暮れてきたので哲学の道まで辿り着き宿へ戻る事にしました。



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二日目はまず三十三間堂へ


残念ながら本堂内は国宝や重要文化財が多数ある為撮影禁止でした。120mもの横長の中には1000体の千手観音像が美しく整列に並び圧巻されます。
三十三間堂は柱が三十三本ある事からその名が付き、1000体の観音像の中には「必ず逢いたい人の顔がある」と伝えられています。
私ですか? 見つけられたかどうかは秘密です。

桃山時代には「通し矢」という競技が大変な人気で、この120mの本堂の軒下の端から射った矢が、逆の端へ何本届くか。という本数を競ったものだったようです。「通し矢帳」には英雄の名が今も残り、強靭な心身にしてなし得た凄絶な競技だった事を伺い知る事ができます。






いよいよ伏見稲荷大社へ
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なんと再来年で建立1300年を迎えるとの事でした。
 伏見稲荷大社は、いわゆる「おいなりさん」の総本山になります。

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こちらは1000本鳥居と呼ばれる通路の入り口です。
 以前もお伝えしましたが、昔は叶えたい願い事がある時やそのお願いが叶った時に鳥居を建てていた様で、それは今に伝わり、誰の願いなのかわかる様に個人や会社名、又は連絡先までもが全てのこの鳥居の後ろ側に記入されています。


 
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前回は、こちらの2又に分かれた終わりあたりまでしか辿り付けませんでしたが、この奥に山がくっついていて、ゆっくりですが、頂上まで行って入り口到着まで約3時間半ほどかかりました。


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 びっしりと立ち並ぶ赤い(朱赤)の鳥居が本当に美しく、まさに異空間にいるようで、心に静寂と感動を与えてくれます。



その先を更に上へと進みます。
 
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どれくらい歩いたでしょうか。

1000本を裕に超える鳥居のトンネルはまだまだ続きます。


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まだ頂上ではないのですが、京都の町並みが遥か下に小さく見えました。


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そして、頂上まであと少しの山の茶屋で思いがけず極上のサービスを受けました。

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なんの変哲もないコーヒーのセットに見えますでしょうか?
 コーヒーを落とし終わるまでお湯で温められたカップのお湯と交換に、お茶屋のおかみさんはコーヒーを注ぎます。
 それと、お盆にお水が乗せられています。
 
 コーヒーは遥か昔ですが、大変高価な趣向品でした。
 やっと、少し裕福な庶民の手に届く様になり、喫茶店などでオーダーする事が出来る様になりましたが、それでも高価な飲み物だった為、少しでも長い時間、お水で口直しをしながら楽しめる様にとお冷やとコーヒーは1セットで出されていました。
 
 そんな歴史を思わせる一息の時間でした。



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そしていよいよ頂上です。
 小さな質素な末広大社という祀り堂が建っていて熱心にお参りする人の姿がありました。
 すぐ横に、おみくじがあり、紙ではなく立て札に出た数字の内容が書いてありましたが、神様に見られているのかと思う程、的確で本当に心に響く内容でした。



 着物を見に河原町周辺へ

興味はありますが、着物の知識はあまりなかったので着物を見に一点物の新古品を扱うお店を尋ねました。
 
 着物だけ選び、予算をお伝えし、羽織や帯、下駄など予算内でどう合わせますか?とお店の方に質問し、なにを?
どんな色を?合わせるか観察させて頂きました。



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 ↑私が選んだウール混の訪問着物(主に秋と春用)


 お店の方は、洋服ではなかなか思い付かない組み合わせを次々に提案しながら、フォーマルでは決まり事は沢山あるけれど、季節に合った素材さえ守っていれば訪問着は固定概念を破り、自由に個性を出して遊んでも良く、例えば寒ければインナーにタートルを着たり、下駄ではなくブーツを合わせたりして新しい着物スタイルを作り出しても良い事などを教えてくれました。


 そして完成したコーディネートはこちら。
 
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とても気に入り、私の沢山の質問に答えながらの丁寧な接客をして頂いたので全て購入させて頂きました。ちなみにこちら全てでなんと¥12600です。(勿論予算内です)


 着物以外のコーディネートをお願いした時、とても楽しそうに合わせながら、寒さなど私の要望を考慮して選んで頂いている立ち振る舞いを見て、お客様に満足感を与える事とはなにか。を考えさせられ、再確認させて頂き、また、なかなか思い付かないカラーの合わせ方や柄の組合わせがとても新鮮で本当に良い学習をさせて頂きました。


 今回の出張は1人でいかせて頂きましたが、いろいろな事を考え、1人でないと気付けない小さな発見が沢山あった良い経験となりました。皆様も是非1人旅に出かけてみてはいかがでしょうか?