回顧2018年 | 高橋いさをの徒然草

回顧2018年

2018年も今日で終わり。あっという間の一年だった。そして、間もなく平成時代が終わる。今日は、今年一年のわたしの公的な演劇活動を振り返る。

●3月
神宮前プロデュース+UNCUT公演 
「私に会いに来て」
於/サンモールスタジオ
映画「殺人の追憶」の原作に当たるキム・グァンリム作「私に会いに来て」を脚色して上演する。映画の大ファンであるわたしが言い出しっぺとなり、韓国の友人の協力を得て上演にこぎ着けた。プロデューサーである辻本さんが渡韓して交渉に当たってくれた。韓国三大未解決事件の一つである「華城連続殺人事件」を捜査に当たった刑事たちの苦悩を描く。

●8月
稲村梓+サンモールスタジオ プロデュース
「売春捜査官」
於/サンモールスタジオ
つかこうへい作「売春捜査官」を稲村梓さん主演で上演する。わたしを演劇の世界へ誘い込んだ心の師匠であるつかこうへいさんの作品を演出することになるとは、若い頃には夢にも思わなかった。つか芝居が要求するテンションの高さに改めて驚く。わたしが演劇の世界への進路を決めたのは、17歳の時、つかこうへい作・演出「熱海殺人事件」を見たからだった。

●12月
ISAWO BOOKSTORE vol.1
「好男子の行方」
於/オメガ東京
新しく始めたISAWO BOOKSTOREの第一回公演。名高い「三億強奪事件」を題材に、金を奪われた銀行側の視点で事件の顛末を描いた。現実に起きた犯罪事件を元に芝居を書くことは珍しいが、制約と想像力の綱渡りはうまくいったのではないかと思う。荻窪にオープンした新しい劇場「オメガ東京」の柿落とし公演だった。

●12月
「I-note② 舞台演出家の記録」(論創社)を出版した。この本は、1991年から2012年まで、わたしが演出として関わった舞台において、稽古初日に俳優やスタッフに配布した演出ノートをまとめたもの。前作「I-note 演技と劇作の実践ノート」は演技と劇作について語った本だが、こちらは舞台演出について語った本である。

今年も一年、からだを壊すことなく毎日ブログを更新することができた。皆さんのご愛読に感謝します。来年がよい年になりますように。よいお年をお迎えください。さよなら、2018年!

※2018年に上演した舞台のチラシなど。