決起会 | 高橋いさをの徒然草

決起会

先日、ISAWO BOOKSTORE「好男子の行方」の決起会を行った。残念ながら全員参加ではなかったが、関係者が集まって酒を飲んだ。決起会と呼ぶのはちょっと大袈裟かもしれないが、気分的には「この舞台を成功させたい!」という思いが人々の中心にある会なので、そう呼ぶのが相応しい会である。

ところで、人間は様々な状況下において、いろんな会を催す。わたしが今までに出席した会はざっと次のようなものである。

○送別会/誰かを送別する。
○壮行会/誰かを異国へ送り出す。
○歓迎会/誰かを歓迎する。
○慰労会/誰かを慰労する。
○祝賀会/誰かを祝賀する。
○祝勝会/勝利を祝う。
○忘年会/年を忘れる。
○新年会/新年を祝う。
○同窓会/同窓生と再会する。
○謝恩会/恩師に感謝する。
○励ます会/誰かを励ます。

どの会も、基本的には人間が集まって酒を酌み交わしているに過ぎない。しかし、一見、同じように見えるそれぞれの会に集った人々の心に流れている感情はみな違う。思うに、会の初めに主催者の開催意図を聞かないでその会に出席して、人々の会話からそれが何の会か当てることができる人は、相当に人生の機微に通じている人と言えるのではないか。あるいは、ここに二つの○○会があり、それをきちんと区別する能力は、人間にしか与えられていない能力であると思う。その人が宇宙人であった場合、それを見極めるのはほとんど不可能であると思うからである。宇宙人が関西弁を使えるるならこう言うにちがいない。

「どれもこれも、みんな同じやないかい!」

人間は状況に応じていろんな会をする。そして、その会に名前をつけることで、そのように会の目的を明快にする。そう言えば、演劇関係者は、ことある毎に飲み会をしたがる。「初日打ち上げ」や「中日打ち上げ」や「千秋楽打ち上げ」があり、場合によっては「稽古場打ち上げ」なんてものもある。要するに飲む理由を無理やり作って、酒を飲んでいるのである。この度の決起会も、ある意味でそういう演劇人の酒好きの延長にある飲み会だったかもしれないが、ここに集った人々の思いは、みな同じものだと信じたい。

※「好男子の行方」の関係者たちと。

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