いさを博士のサスペンス映画 案内 5 | 高橋いさをの徒然草

いさを博士のサスペンス映画 案内 5

「週末は暇だから映画でも見たいなあ。けど何を借りてこようかなあ。昔の映画でいいからキリリと引き締まったタイトなサスペンス映画が見たいなあ」と思っているアナタへ。映画博士のわたしが飛び切り面白い映画を二本立てでご紹介しよう。題して「いさを博士のサスペンス映画案内」。
今日は「ニック・オブ・タイム」(1995年)と「張り込み」(1987年)だ。ともにジョン・バタム監督が作った小粒だがキリリと引き締まったサスペンス・アクション映画。
「ニック・オブ・タイム」はブレイクする前のジョニー・デップ主演。得体の知れぬ男女に幼い娘を人質にされた会計士が、理不尽な州知事暗殺を余儀なくされる過程を描くサスペンス。得体の知れぬ男をクリストファー・ウォーケンが怪演。劇に流れる時間と上映時間がピッタリと一致してドラマが進行するという趣向もサスペンスを盛り上げていて効果的。「ザ・シークレット・サービス」や「トゥルー・ライズ」でも使われた実在するロサンゼルスの”ウェスティン・ボナベンチャー・ホテル”が舞台になっている。タイトルは日本語にすると「時間通りに」という意味。
「張り込み」は脱獄したとある凶悪犯人の恋人の部屋を向かいの家から監視することになった二人の刑事を主人公にしたコメディ・タッチのアクション映画。刑事を演じるのはリチャード・ドレイファスとエミリオ・エステベス。邦画にも松本清張原作の「張込み」という名作があるが、これはそのアメリカ版の趣。悪戯小僧のような刑事たちの行動が楽しい。また、監視されるヒロインを演じるマデリン・ストーがとてもキュートで綺麗。ジョン・バタムという監督は、わたしが初めて女の子とデートで見に行った「サタデー・ナイト・フィーバー」の監督でもあるのだが、毛色の違うこれらの映画をそつなくまとめることができるすぐれた職人監督だ。

是非、ご覧あれ。

地震の被害が拡大している様子。わたしに何かできるわけではないけれど、被災地の人たちの救援と被災地域の一刻も早い復旧を願う。