ぶどう畑の違い、分かりますか? | ぶどう畑で逢いましょう  7/11~7/12

ぶどう畑の違い、分かりますか?

石和・勝沼周辺には、広い広いぶどう畑があります。

今回のツアーでは、もう、品種によってはぶどうの房が付いているぶどう畑をご案内します。

ぶどうは、大きく分けて、ふたつ。

ひとつは、食用のぶどう。デラウェアなどは食用のぶどうで、
その主なものは「ヴィテス・ラブルスカ」という系統に属します。

もうひとつは、「ヴィテス・ヴィニフェラ」という仲間に属するもので、
こちらは主にワイン用のぶどうになります。

日本のワインで代表的な「甲州」は、食用・ワイン用の両方を担ってきた品種ですが、
じつはワイン用の「ヴィテス・ヴィニフェラ」であると言われています。

赤ワイン用で最近人気の「マスカット・ベリーA」は、最近の研究で、
食用ぶどうであるヴィテス・ラブルスカの血は12.5%しか入っていないということが
分かってきたようです。
のこりはいろいろですが、ヴィテス・ヴィニフェラが色濃く残っているのかもしれませんね。

さて、そんな「ぶどうの血筋」だけではなく、「ぶどうの育ち」のおはなし。

ぶどう畑をあるいていると、不思議なことに気がつきます。


ぶどう畑で逢いましょう  7/11~7/12-棚の畑

たいてのぶどう畑は、こんな感じです。

これは「棚づくり」と言って、頭の上に金網を張り、一本の木からたくさんの枝が伸びて、
屋根のようになっています。

食用のぶどうは、日本では、おもにこんな作り方で栽培されています。

この棚の高さ、じつは作業に入る農家の方の背の高さに合わせてあるんですね。

かるく手を挙げてちょうど作業しやすい高さにぶどうが生るようにしてあるんです。
だから、背が高い人が畑に入ると頭を針金にぶつけたりします。

もうひとつはこんな感じのぶどう畑。

ぶどう畑で逢いましょう  7/11~7/12-垣根の畑

陽がさんさんと降り注いでいます。

この畑は「垣根づくり」と言って、ヨーロッパでは一般的な栽培方法。
日本では、ワイン用のぶどうを育てるときに、この方法を採ることが多くなってきました。

1本のぶどうの気からできるぶどうの房の数も制限して作っています。
ですから、ぶどうの果実味が強くなり、良いワインを作るためには必須だといわれています。

けれど、けっして棚づくりがすべてにおいて劣っているというわけでもありません。

日本は、秋のぶどう収穫の時期に雨が多く、ヨーロッパやアメリカ、オーストラリアのように
高温小雨というわけにはいきません。

ぶどうは、充実する時期に雨が降ると、水分を吸って、糖度が落ちたり
実が割れてしまったりすることもあります。

そんな中で発達したのが棚づくりです。

メルローなどは、日本では棚づくりの栽培でいい結果を残しているところもありますし、
最近では、棚づくりの良さを残しつつ、1本の気からの収量を制限していいぶどうを作ろう、
という試みもなされています。

ちなみに「甲州」は、大部分が棚づくりで栽培されています。

ぶどう畑にいらして、ぜひ、畑の違いを見てみてください。