天使:「最内に入った1枠1番ウィリアムバローズ、2番ダブルハートボンド。どっちも砂を被りたくない先行馬。最初から飛ばして行くやろうな。ヘリオス、アウトレンジ、ペプチドナイルあたりも行くやろうけど、何というても人気のナルカミがハナ切る馬やから。中京・ダート1800mは3コーナーから外を上がると、スパイラルやから外に振られる。ナルカミは2コーナー回って先頭に立たへんかったら、ちょっと控えるかもな。ただ、内2頭が砂被らんように前に行くには、その時点でハイペースか。緩いペースならサンライズジパングあたりも早め捲りに出てペースアップするやろうし、今回は先行馬に厳しい展開か。狙いは内を差して来れる馬、ちゃうかな」

 

悪魔:「先行馬の中でもナルカミは、ちょっと物がちゃうかな。大井のジャパンダートクラシック・ダート2000mで2分3秒7の勝ち時計。2着ナチュラルライズに3馬身差、さらに、ここに出て来る3着ルクソールカフェには9馬身差の圧勝。『ダート世界王者』のフォーエバーヤングの勝ち時計が2分4秒1やから、タイム的にはフォーエバーヤングを超えた存在ともいえるやん。初の古馬相手でも、ここは通過点やったりして」

 

 僕:「確かに、ジャパンダートクラシックのナルカミは桁違いに強かった。だが、G1を走ったのは、それ1走だけ。経験浅い3歳馬に絶対的信頼はどうかな?とも思う。展開に左右されることも大きい逃げ馬だけにね。実績的に中心は仕方ないだろうけどね。 相手となる古馬に『ダート王』として存在感を発揮する馬がいない……というのも影響してるかな。去年のレモンポップのように別格の『ダート王』が。 相手はウィルソンテソーロかな。ダートG1・14戦の6歳馬。5,2,2,8,4,2,2,1,2,2,4,7,5,1,5着。6歳に入り馬券圏内からやや後退ぎみだが、前々走で盛岡のマイルチャンピオンシップを制覇。前走はJBCクラシックを5着も、まだ、ダートG1を勝つ力は内蔵しているはず。4枠8番、中団内から差し脚を発揮か。 同じく内から差し脚で上位を狙うのが、8歳馬メイショウハリオ。地方ダートG1・4勝、古豪が今回のチャンピオンズカップでラスト・ラン。前走のJBCクラシックは3馬身差とはいえミッキーファイトの2着。3着馬には5馬身の差を付け、5着ウィルソンテソーロには1秒6の差を付けた。今回、鞍上・武豊。メイショウハリオの良さを最大限に引き出すか。 これからのダート界の覇者を狙う古馬の中からは、4歳ラムジェットと、5歳アウトレンジ。ラムジェットは、3歳時、ユニコーンS・1着、東京ダービー1着、ジャパンダートクラシックはフォーエバーヤングの4着。4歳になって世界に挑戦し、サウジカップ6着、ドバイワールドカップ9着と惨敗。帰国後、帝王賞6着、韓国・コリアカップ3着、みやこS4着。まだ輝けてないが、『負け』を糧にリベンジ気配。最終追い切りの評価高く、差し脚が生きる時。 アウトレンジは4歳11月、みやこS2着、指定交流G2・浦和記念1着。5歳となり、平安S1着、帝王賞2着。前走のみやこSは1番人気7着だが、雨降る不良馬場で1分47秒5の勝ちタイムはアウトレンジには速すぎた。土曜日、1勝クラスのダート1800mで1分53秒7だった勝ちタイム。ダートではタイムがかかるいまの良馬場なら、アウトレンジの好位からのしぶとい差し脚が生きるか。 6頭選びが基本のわれらが予想。6頭目はナルカミ以外の3歳馬から……ルクソールカフェ。9戦5.1.1.2。全兄がフェブラリーS・2勝などダートG1・3勝のカフェファラオというダート良血馬。12着ではあったが、アメリカ・ケンタッキーダービーに挑戦した逸材。帰国後のジャパンダートクラシックでナルカミの2.4秒差3着という屈辱はあるが、前走・武蔵野S・ダート1600mでは今回同様8枠16番の大外枠で、古馬相手に2着コスタノヴァ(フェブラリーS)に3馬身半差の完勝。ダート1800mで2戦2勝ならチャンピオンズカップも十分に適応距離。いまが本格化の時期か」

 

天使:「そうかぁ。ほな、買い目いこか」

 

 僕:「馬単ボックス、③⑦⑧⑨⑫⑯、30点×100円。

3連複ボックス、③⑦⑧⑨⑫⑯、20点×100円。

3連単、ウィルソンテソーロ・ナルカミ2頭軸マルチ⑧⑫-③⑦⑨⑯、24点×100円」

 

天使:「おっしゃ。ほな、それでいこか。ではでは」

 

天使:「スローペースでロングスパートのレースになりやすい長距離戦。今回も典型的な逃げ馬がおれへんメンバーだけに、早めに勝負賭けた先行馬の前残りが十分考えられる。唯一逃げ馬といえるのはピュワキアンやけど、ダート専門やからな。初の芝で逃げようとしても、スピード的にハナ切れるかどうか?目黒記念、アルゼンチン共和国杯で2番手、3番手先行してたホーエリートの方が速いやろ。マイネルカンパーナも同じような位置から行く。ブレーブロッカー、ワープスピード、チャックメイトも前に行かんこともない。ま、どの馬が行くにしても、スローやろな」

 

悪魔:「距離3000m以上に実績のある馬は、自信があるから積極策に出るかもね。スローやったら、外枠のワープスピードが途中からスピードアップで勝負に出るかも。この時に他の馬も積極的に上がれば、一気に『差し馬ペース』に変わることもあるんやけどね。ダイヤモンドSで3着に来たヴェルミセルは差しやすくなるかもね」

 

 僕:「今回のメンバー、不思議なほどに前走馬券圏内に来てた馬は0。一見、好調馬はいないのか?と思えるほど。過去10年のデータでも、馬券圏内30頭中、前走馬券圏外だった馬が20頭という、復活劇の多いレースなんだが。それにしても着順が悪すぎる。人気馬でもクロミナンス10着、ワープスピード18着はちょっと……という。 クロミナンスは10カ月半ぶりの一戦で、産経オールカマー・0.9秒差10着。その前が重賞G2、3・2・3・2着だから、2走目の良化に期待か。オールカマーは10着とは言っても、勝ち馬とは0.9秒差。『1秒以内のタイム差なら次走で挽回可能』。よくいわれることだ。今回は追い切り評価が高いクロミナンス。過去10年、年齢別・複勝率で8歳は0.2.1.7で30.0%。不安はあるが、外せないか。 ワープスピードは5カ月ぶりの京都大賞典、馬体重が-10㌔で18着。仕上がり不十分。今回、『これ以上ない仕上がり。これでダメなら仕方がない』という厩舎の言葉を信用すれば……この長距離に賭けている。去年のステイヤーズS4着、ダイヤモンドS3着、阪神大賞典2着、海外G1・メルボルンカップ2着。芝3000m以上で作り上げた実績。年齢別・複勝率32.1%の6歳馬。前走は度外視して考えるべきか。 外枠から好位追走。先行・好位の馬のどれかが行けば、後追いするスピードを持つのがチャックネイト。今年に入り日経賞はクビ差2着、前走は宝塚記念0.7秒差5着。好調ラインにあるはずだ。 3000mを超える長距離では芳しくない戦績の牝馬。今年はやや違うか。『先行する強い牝馬』ホーエリート、『強烈差しの牝馬』ヴェルミセル。 ホーエリートは4歳牝馬。3走前、目黒記念・芝2500m・クビ差2着。前々走、産経オールカマー0.6秒差5着、前走、アルゼンチン共和国杯芝2500m・0.2秒差6着。2,3番手、直線、抜け出し粘り脚を発揮。ここも3000m以上は初距離だが、内でじっくり構え、直線抜け出しを図る計算だろう。折り合いに難がないだけに、牝馬でも距離は克服か。 5歳牝馬はヴェルミセル。今年2月のダイヤモンドS・芝3400mでは後方から、4コーナーでは中団後ろまで上がり、直線、捲り2番手に上がったワープスピードをゴール前差し切り3着。前々走は京都大賞典・芝2400mを後方から差してディープモンスターの0.2秒差3着。前走はエリザベス女王杯・芝2200m、レガレイラの0.7秒差8着。『切れ味』には定評があり、それは長い距離ほど生きる。 あと1頭は、マイネルカンパーナ。芝3000m以上は初めてだけど、ここ5走はオープンで芝2400m・2500m・2600m・2600m・2500m。父ゴールドシップ、スタミナ的には十分だと思う。前走・アルゼンチン共和国杯は勝ち馬ミルキーウェイから0.2秒差7着だった。ここ出走のホーエリートの前2番手を追走、6着ホーエリートとはアタマ差だった。前走、ホーエリートとほぼ5分の競馬。芝3600mの適性、マイネルカンパーナの方があったなら……逆転可能」

 

天使:「なるほどな。ほな、買い目いこか」

 

 僕:「馬単ボックス、③④⑦⑪⑫⑭、30点×100円。

3連複ボックス、③④⑦⑪⑫⑭、20点×100円。

3連単、ホーエリート・チャックネイト2頭軸マルチ③⑭-④⑦⑪⑫、24点×100円」

 

天使:「おっしゃ。ほな、それでいこか。ではでは」

 

 

天使:「京都2歳Sの結果は、ジャパンカップの予想の前に紹介させてもろたように、とんでもない結果になりかけとったな。11頭立てやからじっくり調べようと1頭ずつ入念に見てたら、ホンマ、どの馬も『しっかり買う材料がある』。どの馬にもチャンスあり、ということや。それを知らしめるために11番人気のネッタイヤライ、10番人気のアスクエジンバラ、人気薄の馬から2頭紹介したんやけど……結果、予想はアナ馬としてアスクエジンバラを推しただけやったんやけど。なんと、9番人気のジャスティンビスタが1着、2着にアスクエジンバラで、ネッタイヤライが4着。3着に3番人気のゴーイントゥスカイが来たけど、もし飛んでたら……11頭立てで9・10・11番人気と人気薄3頭でワン・ツー・スリーやった。予想には1頭しか入れ切れんかったけど、『どの馬にもチャンスあり』は、ちょっぴり鼻高かな。逆にジャパンカップは、完全に鼻をへし折られた。『日本馬の凱旋門賞惨敗続きは、タイムのかかるヨーロッパの馬場に合わないせい。逆に世界ランク1位、欧州最強馬といえど、カランダガンは日本のスピードが出る良馬場では走れない』と見事に切って、1着に

来られてしもた。日本馬の上位順番はほぼ予想通りやったけど、『ランダガン外し』基本が大失敗。買い目予想は最悪の週やったな。年間トータルは、馬単-61,430円、3連複-11,680円、3連単-23,380円」

 

悪魔:「勝ったジャスティンビスタはサンデーサイレンスの18.75%。『奇跡の血量』なんね。競走馬の血統で、父系・母系ともに同じ馬の血があることがインブリード(近親交配)なんね。近親交配はその祖先の能力を大きく引き出せるって言われるけど、血が濃すぎるとマイナス面もある。そのインブリードの中で最良と言われ、名馬を輩出するとされたんが『18.75%』なんよ。血量は1代前は当然50%、2代前は25%、3代前は12.5%、4代前は6.25%。同じ馬の血を4代前6.25%、3代前12.5%持つと、6.25%+12.5%で18.75%。ジャスティンビスタは父系の4代前、母系の3代前にサンデーサイレンスがおり、18.75%。『奇跡の血量』を持ってるワケよ。まぁ、年代的にもサンデーサイレンスを3代前、4代前に持つ馬がどんどん出て来てるんで、『奇跡の血量』を持つ馬は多くなってるねんけどね。そうでなくても、母父がディープインパクトということは、ジャスティンビスタの母ペブルガーデンは、日高の馬でも牧場の期待が大きかったということやからね。繁殖牝馬としても。なんせ、ディープインパクトの種付け料は3000万円~4000万円やったからね」

 

 僕:「確かに。レースや血統を見たら、そんなに差のあるメンバーでもない。にしても極端な結果。1番人気のバルセシートは出遅れ後方から、伸びずに7着。『ゲートで驚いて後ろからに。勝負どころでは手応えも怪しくなった』と、鞍上・C.デムーロ。2番人気のウィナーズナインは6着。8番手から3コーナーで中団まで上がって行ったけど、直線、伸びず。3番人気のゴーイントゥスカイはウィナーズナインを見る形で上がって行き、直線はいち早く伸びて、最後はジャスティンビスタ、アスクエジンバラに差された。鞍上・荻野極は『終始外を回る苦しい展開となりましたが、力で押し切れそうなぐらいに馬はよくがんばりました』と語る。まだ2戦目、3戦目の

若駒。実力をそのまま発揮できた馬、発揮できなかった馬、その明暗がくっきり分かれたレース結果となったようだ。バルセシートもウィナーズナインも、次走はきっちり変わり身を見せそうな気がする。勝ったジャスティンビスタは『奇跡の血量』の配合が生きたか。2着アスクエジンバラは、2走前にオープンのコスモス賞を単勝1.6倍の1番人気で勝利。サウジアラビアロイヤルカップ7着、11頭の中で唯一の重賞出走馬だった。この実績が軽んじられすぎたように思う」

 

天使:「世界を相手にするジャパンカップ……いうても、もう、日本馬だけの祭典みたいになってる。今年、『世界ランク1位』、欧州最強馬といわれるカランダガンが参戦。7戦連続世界のG1出走中、2,2,2,2,1,1,1着。確かに強いのはわかるけど……。G1勝ったサンクルー大賞典・芝2400mが2分28秒28、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS・芝2390m・2分29秒74、英チャンピオンS・芝2000m・2分3秒19。このタイムで、普通に芝2400m・2分23秒台の日本の馬場に対応できるやろか? 差し馬で少頭数のレースが多いというカランダガンにジャパンカップ、スピード競馬の対応はムリ。そう考えるんが順当と思えたんやけどな」

 

悪魔:「ホンマ、カランダガンは4番人気に支持されたけど、唯一の外国馬に人気が集まっただけ、思たんやけどね。レースはスタートすぐにアドマイヤテラの落馬。ハナ切ったのはセイウンハーデス。変な雰囲気で始まったね。2コーナー回って、セイウンハーデスが単騎で3馬身リード。2番手ホウオウビスケッツ、3番手サンライズアース、4番手クロワデュノール、5番手シンエンペラー。コスモキュランダ、タスティエーラが並び、中団にダノンデサイル、マスカレードボール、その後ろに外国馬カランダガン(思ったより前に位置)、ジャスティンパレスが続いた。2コーナー回ってセイウンハーデスが飛ばして10馬身近く引き離して大逃げ気配。1000m通過57秒9やから、これはハイペース。馬場がいいから、走破タイムは相当早くなりそうやったね」

 

 僕:「驚いたのは落馬したアドマイヤテラ。スタート直後、騎手を振り落としての落馬だから、アドマイヤテラに異常はなくレースをしているつもりで走っているんだけど……最後方から向こう正面で中団まで上がって、3コーナーでは3番手、4コーナーを回って直線では、真っ先に逃げるセイウンハーデスに襲い掛かる雰囲気。確かに騎手がいない分、馬上は軽く、馬は走りやすいんだけど、普通、御す騎手がいないと馬は真剣に走るのを止める。とくにコーナーではスピードを緩め、そのうちレースから外れるものだ。それが、まるで騎手が鞍上にいるかのようにスピードをアップしてセイウンハーデスに迫るものだから、場内は異質な大歓声も。無人のアドマイヤテラが先頭に立ち、追いかけて来るのはクロワデュノール。横に広がった馬群の大外から2頭、マスカレードボールと、カランダガンが並んで脚を伸ばす。ゴールまで、あと100m、無人のアドマイヤテラ、マスカレードボール、カランダガンが並んだ。その後ろ、懸命に内で粘るクロワデュノール、外から3着をめざすダノンデサイル、さらに後ろ、外からジャスティンパレス、ブレイディヴェーグ、内で粘るタスティエーラ。それぞれが、それぞれの順位を争って懸命の攻防。先頭争いに、僅かに前に出たマスカレードボール、外から渾身の力で迫るカランダガン。最内、レースに無関係となったアドマイヤテラも懸命に脚を伸ばす……何のために。ゴールは3頭、写真判定。僅かに、アタマ差、出ていたのは無人のアドマイヤテラ。1着は、外のカランダガンだった。2分20秒3、世界レコード。同タイム、アタマ差2着マスカレードボール。2馬身半差、3着ダノンデサイル。1馬身差、4着クロワデュノール、クビ差、5着ジャスティンパレス、半馬身差、6着ブレイディヴェーグ、半馬身差、7着タスティエーラ。凄いタイムの、凄い叩き合いとなった第45回ジャパンカップ。みんな、みんな、凄かった。世界レコードを叩き出した馬、それを演出した馬たち。予想を完全に外した身ではあるが、カランダカンにはただただ『脱帽』。いいレースを見せてもらった」

 

天使:「そうやな。予想は度外視でええレースやった。アドマイヤテラも、身軽いとはいえ、世界レコードの叩き合いと同格の走りを見せる根性は、ホンマ、立派やで。ほな、このへんで。ではでは」