2006年、ディープインパクトが勝った時の3着ウィジャボード以来、まったく馬券対象にもなっていない外国馬。

 

もはや、ジャパンカップは名ばかりのものとなってしまったか。

 

この年も、ドイツ馬ナイトフラワー9番人気、イキートス16番人気、フランス馬イラプト10番人気の3頭の参戦に留まった。

 

 

 

ダービー馬ドゥラメンテが宝塚記念2着を最後に引退となり、古馬№1ホースの座はキタサンブラックに委ねられるようになった。

 

 

皐月賞・ダービーでドゥラメンテの3着、14着。

 

ドゥラメンテが出走しない菊花賞、天皇賞春を勝っても、最後の対戦となった宝塚記念では2着ドゥラメンテにハナ差及ばずの3着。

 

僅かな差であろうと、ついに勝てず仕舞いだったドゥラメンテとの対戦。

 

 

『残されしものの誓い』ではないが、他の馬には負けられない・・・・・・思いはあった。

 

 

父ブラックタイド、母シュガーハート、母父サクラバクシンオー。生まれ持っての『血』への戦い。

 

反骨魂で築き上げた『個』の力。異例ともいえる1日坂路3本、猛烈なハードトレーニングにも耐えた精神力。

 

 

秋10月、京都大賞典を始動戦にアドマイヤデウス、ラブリーデイを振り切り、勝利。

 

№1ホースへ、いざ出陣。

 

 

 

 

皐月賞2着、ダービー4着、菊花賞2着。

 

菊花賞こそキタサンブラックに敗れたが、ドゥラメンテとともにクラシックをリードしてきたリアルスティール。

 

父ディープインパクト、母ラヴズオンリーミー。全兄はラングレー、全弟プロディガルサン。

 

 

古馬になって、3月・ドバイターフを勝ち、海外で初G1制覇。

 

6月、帰国初戦の安田記念は11着惨敗。10月、天皇賞秋はモーリスの2着。

 

同世代リアルスティールこそ、キタサンブラック最大の敵となるか!

 

 

 

 

スクリーンヒーロー産駒の短中距離のヒーローがモーリスなら、中長距離のヒーローはゴールドアクターか。

 

トーホウジャッカルの菊花賞3着から4連勝で有馬記念を制覇。

 

5歳になって、3月・日経賞1着、5月・天皇賞春12着、9月・オールカマー1着。

 

培われてきた実践力で4歳馬を圧倒するか!

 

 

 

3歳馬代表は皐月賞馬ディーマジェスティ。

 

マカヒキ、サトノダイヤモンドとともにディープインパクト産駒でクラシック3冠を分け合った。

 

ダービー3着、菊花賞4着から古馬に挑戦。

 

 

 

菊花賞2着、ゴールドアクターには先着のサウンズオブアース。

 

18戦、わずか2勝。有馬記念はゴールドアクターの2着。京都新聞杯2着、神戸新聞杯2着、京都大賞典2着、日経賞2着。

 

まさに、『最強の2歳馬』。

 

さらに言うなら、ゴールドアクターのG1好走の前後にはサウンズオブアースあり?

 

 

 

本格化に近づきつつある素質馬シュヴァルグラン。

 

父ハーツクライ、母ハルーワスウィート。半姉は『ジェンティルドンナ3冠』のオール2着ヴィルシーナ。半妹は秋華賞馬ヴィブロス。

 

4歳になって、3月・阪神大賞典で初重賞制覇。5月・天皇賞春はキタサンブラックの3着。

 

6月・宝塚記念は9着も、秋初戦の11月・アルゼンチン共和国杯を勝利。

 

姉、妹に続いてのG1奪取だ!

 

 

 

11月27日、ジャパンカップ。

 

1.キタサンブラック

2.ビッシュ

3.ゴールドアクター

4.ルージュバック

5.イキートス

6.ラストンパクト

7.ワンアンドオンリー

8.イラプト

9.ディーマジェスティ

10.トーセンバジル

11.フェイムゲーム

12.サウンズオブアース

13.ヒットザターゲット

14.レインボーライン

15.ナイトフラワー

16.リアルスティール

17.シュヴァルグラン

 

 

1番人気キタサンブラック、2番人気リアルスティール、3番人気ゴールドアクター。

 

4番人気ディーマジェスティ、5番人気サウンズオブアース。

 

 

 

ほぼ一斉のスタート。

 

1枠1番、最内を利用して先手を取ろうとするのはキタサンブラック。

 

2番手に上がって来るのはワンアンドオンリーだ。

 

ゴールドアクター、リアルスティールが並び、

 

イラプト、ラストインパクトが続いた。

 

 

ルージュバック、サウンズオブアース。

 

ビッシュが行き、外にシュヴァルグランがつけた。

 

 

後方から行くのはレインボーライン、フェイムゲーム。

 

後方3頭目がディーマジェスティ。

 

最後方がナイトフラワーだ。

 

 

 

1000m通過61秒7、スローペース。

 

 

キタサンブラックはつねに2,3馬身間隔で2番手以降を引き寄せ逃げ。

 

完全に主導権を獲った。

 

 

キタサンブラック鞍上・武豊、直線に入っても落ち着いて後続を待った。

 

 

3番手から迫ろうとするのはゴールドアクター・吉田隼人!

 

その外から迫ったのはリアルスティール・R.ムーアだ!

 

 

直線半ばの坂を駆け上がって、いよいよ最後の勝負!

 

 

ここで突き放したキタサンブラック!

 

来る日も、来る日も坂路を駆け上がった、2本、3本・・・・・・多少のことでは音を上げていられないッ!

 

 

ここで、突き放すんだ!

 

グイッグイッ、伸びた。

 

 

引き離されかけるゴールドアクター、リアルスティール!

 

 

外から伸びてきたのは、ゴールドアクターが駆けるなら・・・・・・、

 

『最強の2勝馬』、サウンズオブアース・M.デムーロだ!

 

 

外からゴールドアクターを抜き去り、キタサンブラックにターゲットを切り替えた!

 

 

さらに遅れてぶっ飛んできた、シュヴァルグラン・福永祐一!

 

 

前が残る、苦しい展開でも意地を見せた。

 

 

サウンズオブアース、シュヴァルグランの切れ味も、

 

通用しなかったキタサンブラックの逃げ。

 

 

堂々の逃げ切り勝利。

 

古馬№1を、高らかに宣言した、か。

 

 

1着キタサンブラック

2馬身半

2着サウンズオブアース

クビ

3着シュヴァルグラン

半馬身

4着ゴールドアクター

クビ

5着リアルスティール

 

 

(つづく)