秋のG1シリーズの始まり、スプリンターズS。

 

圧倒的人気となるのはロードカナロアだ。

 

 

スプリンターズS連覇はサクラバクシンオー以来。スプリンターズS・高松宮記念・スプリンターズS、スプリントG1・3連覇は史上初。

 

大偉業に臨む。

 

 

そればかりではない。スプリンターズS1着、香港スプリント1着、高松宮記念1着、安田記念1着。

 

海外スプリントG1、マイルG1をも制し、出走機会G1・4連勝を飾り、『絶対王者』となったロードカナロア。

 

 

『勝って当然』、追われるものしか感じられないプレッシャー。

 

『負けて元々』、追うものが持つ心の優位性。

 

 

全てを撥ね退けるのが『絶対王者』ではあるが・・・・・・。

 

 

 

 

高松宮記念10番人気3着。逃げ粘ったハクサンムーン。

 

父アドマイヤムーン、母チリエージェ。母父サクラバクシンオー。

 

 

逃げ馬ゆえの強さと脆さを持つハクサンムーン。

 

4歳にして本格化を迎えたか!

 

高松宮記念後、6月・CBC賞2着、7月・アイビスサマーダッシュ1着、9月・セントウルS1着。

 

セントウルSでは、秋初戦となったロードカナロアをクビ差凌いで、逃げ切った。

 

前哨戦とはいえ、勝った。それは何よりもの自信となったハクサンムーン。

 

 

本場馬入場で、その場でクルクル旋回するハクサンムーン。テンションの高さの表れであり、その回転数の多さこそ好調な証拠・・・・・・と喜ぶファンは多い。

 

はたしてスプリンターズSでは、何回、回る?

 

 

 

 

初のスプリントに挑む『マイル王』グランプリボス。

 

朝日杯フューチュリティS、NHKマイルカップ、2歳3歳でマイルG1・2勝したグランプリボス。

 

4歳時は安田記念2着、マイルチャンピオンシップ2着。

 

5歳になって、春の安田記念は2番人気10着と敗れ、秋初戦、スプリントG1に登場。

 

父は『スプリント王』サクラバクシンオー。

 

狙う要素は、十二分にある。

 

 

 

高松宮記念4着から、さらに高みをめざすサクラゴスペル。

 

父サクラプレジデント、母サクラブルース。

 

サクラショウリ、サクラユタカオー、サクラスターオー、サクラチヨノオー、さらにはサクラバクシンオー。名馬を輩出してきた『サクラ軍団』。

 

1996年、サクラローレル、の有馬記念以来、G1勝利はなくなった。

 

2003年、最も近かった父サクラプレジデント、皐月賞、ネオユニヴァースの2着。

 

 

サクラゴスペルへ、託された思いは強かった。

 

 

 

 

前年スプリンターズS3着。春、高松宮記念は2着のドリームバレンチノ。

 

重賞3勝。CBC賞ではハクサンムーンに競り勝ったマジンプロスパー。

 

母はアドマイヤグルーヴ。良血アドマイヤセプター。

 

2011年・2012年、連続高松宮記念2着、サンカルロ。

 

 

 

中央で3歳4月、新馬戦デビュー15着だったマヤノリュウジン。

 

地方へ転戦させられた。中央に戻るには地方で2勝を上げるのが条件。

 

マヤノリュウジンは、なんと8連勝を含む11戦9勝、3着1回。勝ちすぎたために遅れた中央再入厩。

 

再び芝の舞台。10戦4勝、2着2回、3着1回。

 

どんな場であっても、喜びを感じて走るマヤノリュウジン。

 

 

初G1挑戦、15番人気。ともに走るのは『絶対王者』ロードカナロア。

 

臆することは、ない。G1の大舞台、喜びの方が大きかった。

 

 

 

9月29日、スプリンターズS。

 

1.グランプリボス

2.フォーエバーマーク

3.アドマイヤセプター

4.サンカルロ

5.マヤノリュウジン

6.ドリームバレンチノ

7.ハクサンムーン

8.パドトロワ

9.サドンストーム

10.ロードカナロア

11.スギノエンデバー

12.アウトクラトール

13.サクラゴスペル

14.マイネルエテルネル

15.マジンプロスパー

16.シルクフォーチュン

 

 

1番人気ロードカナロア、2番人気ハクサンムーン、3番人気グランプリボス。

 

4番人気サクラゴスペル、5番人気ドリームバレンチノ。

 

 

電撃戦、出遅れは致命傷だ。

 

ゲートが開いて飛び出したのは、やはりハクサンムーン。

 

すぐさま、2馬身のリード。

 

 

内からフォーエバーマーク、中パドトロワ、外サクラゴスペル、3頭が並んだ。

 

マイネルエテルネル、マヤノリュウジンが続き、

 

その後ろ、マジンプロスパー、ドリームバレンチノと並んで外を行くのがロードカナロアだ。

 

 

後方を行くグランプリボス、アドマイヤセプター。

 

後方3頭目にサンカルロ。

 

最後方がシルクフォーチュンだ。

 

 

 

3ハロン、32秒9。

 

速いペースで逃げるハクサンムーン。

 

 

暴走一歩手前。スピードで押し切るか!

 

 

4コーナーを回っても、軽快ハクサンムーン!

 

 

外に膨れ加減に!追うサクラゴスペル!

 

馬群の外目から、エンジン全開はロードカナロアだ!

 

内から伸びたのは、15番人気マヤノリュウジン!

 

 

後方から、マジンプロスパー、ドリームバレンチノ!

 

アドマイヤセプターが最内から伸びる!

 

 

粘るか!届くか! 電撃戦の醍醐味。

 

 

逃げ切ってやる!

 

究極のピッチで粘るハクサンムーン。

 

 

ゴール前、

 

ムチも使わず交わしたのは、ロードカナロアだ!

 

 

これが、『絶対王者』。

 

風のように、差し切った。

 

 

ハクサンムーンに、クビ差まで迫ったマヤノリュウジン。

 

大殊勲のゴール。

 

 

遅れてクビ、クビ、クビ、クビ、マジンプロスパー、アドマイヤセプター、ドリームバレンチノ、グランプリボス。

 

大接戦のなか、内外乱れてゴールへ飛び込んだ。

 

 

1着ロードカナロア

4分の3馬身

2着ハクサンムーン

クビ

3着マヤノリュウジン

クビ

4着マジンプロスパー

クビ

5着アドマイヤセプター

 

 

ロードカナロアは、12月・香港スプリントで引退を発表。

 

リッチタペストリーに5馬身差の圧勝でラストランを飾った。

 

19戦13勝、2着5回、3着1回。高松宮記念1勝、安田記念1勝、スプリンターズS2勝、香港スプリント2勝。

 

G1出走で勝てなかったのは、初G1出走の高松宮記念3着だけ。

 

まさに、短距離の『絶対王者』。

 

 

(つづく)