2011年、クラシックをめざす2歳馬。

 

競馬ファンが待ちに待った種牡馬の産駒デビューだ。

 

 

フジキセキに始まり、ダンスインザダーク、スペシャルウィーク、アドマイヤベガ、アグネスタキオン、マンハッタンカフェ、ネオユニヴァース、ゼンノロブロイ・・・・・・種牡馬としても活躍するサンデーサイレンス産駒。

 

日本の競馬を変えた馬、サンデーサイレンス。

 

そして、サンデー『エピソード2』・・・・・・伝説を完結させた馬、ディープインパクトだ。

 

 

国内13戦12勝、2着1回。海外、凱旋門賞3位入線・失格。

 

その名の通り、深い、深い感銘を与え続けた馬。

 

 

種牡馬となって初年度、全種牡馬の中で最多となる206頭に種付け。

 

その初年度産駒がデビューした。

 

 

初年度産駒JRA2歳41勝、そう獲得賞金5億3704万3000円、ともに16年ぶり、父サンデーサイレンスの記録を塗り替えた。

 

 

クラシック候補といわれたのはダノンバラード。

 

距離2000m重賞ということで、クラシック登竜門といわれたラジオNIKKEI杯2歳Sを制し、3戦2勝、3着1回。

 

 

ラジオNIKKEI杯2歳S3着に入ったコティリオンとともに、大きな期待が持たれた。

 

 

 

 

『2歳チャンプ』を決める朝日杯フューチュリティSを勝ったのは、5番人気だったグランプリボス。

 

サクラバクシンオー産駒であり、サクラユタカオー・サクラバクシンオー・グランプリボス、サクラユタカオー・エアジハード・ショウワモダンと同じく『父仔3代G1制覇』を達成。

 

父サクラバクシンオーからも、クラシックよりはマイルG1狙いか?

 

 

 

2着がディープインパクト産駒リアルインパクト。

 

半兄が短距離で活躍するアイルラヴァゲインであり、リアルインパクトもまた、マイルG1狙いか!

 

新馬戦勝利のあと、京王杯2歳S、朝日杯フューチュリティS、ともにグランプリボスの2着。

 

父ディープインパクトの『飛ぶが如く』切れ味は、まだ見せていなかった。

 

 

 

3着となったのもディープインパクト産駒リベルタス。

 

半兄に10勝(重賞4勝)を上げた快速ローエングリン。のちに生まれる全弟がエキストラエンドだ。

 

 

 

4着に敗れたのが、単勝1.8倍の1番人気サダムパテック。

 

フジキセキ産駒で、新馬戦2着のあと未勝利戦3馬身差、東京スポーツ杯2歳Sを3馬身半差、圧勝ぶりで朝日杯は1番人気となったが、差し切れずに4着となった。

 

めざすのは、あくまでクラシック。

 

距離延びての期待だった。

 

 

 

 

そして、京王杯2歳S、1番人気でグランプリボスの10着。

 

大きく期待を下げたのが、オルフェーヴルだ。

 

父ステイゴールド、母オリエンタルアート。母父メジロマックイーン。

 

 

全兄に朝日杯フーチュリティS・宝塚記念・有馬記念、G1・3勝のドリームジャーニーを持ち、その素質は大いに期待された。

 

新馬戦1着、芙蓉S2着のあと、京王杯2歳S惨敗。

 

この時点では、兄ドリームジャーニーの名に頼った人気だった。

 

 

 

 

牝馬クラシック候補。

 

 

阪神ジュベナイルフィリーズを勝って、『2歳女王』となったのがレーヴディソールだ。

 

『夢一族の夢』を現実にしたレーヴディソール(飛翔の夢)。

 

 

半姉レーヴダムール(愛の夢)、2戦1勝、阪神ジュベナイルフィリーズ2着。死亡。

 

半兄アプレザンレーヴ(夢のあとで)、7戦3勝、青葉賞制覇。浅屈腱炎引退。

 

半兄レーヴドリアン(東洋の夢)、9戦2勝、菊花賞4着後、腸捻転発症・死亡。

 

 

悲運でしかなかった『夢一族』で、唯一つかんだ幸せの星。

 

新馬戦から3連勝、圧倒した力で女王となったレーヴディソール。

 

姉の分まで、兄の分まで、走る。そして、勝つ。

 

 

クラシックへ、希望しかなかった。