m(_ _ )m ご心配をおかけしました。なんとか、復活です!

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4歳クラシック最終戦、菊花賞。


無敗の皐月賞馬アグネスタキオンの引退。混沌としたダービーを制したのはジャングルポケットだった。

NHKマイルカップを制した外国産馬クロフネ、皐月賞2着馬ダンツフレームを退け、1番人気に応えた。


夏は古馬との混合重賞・札幌記念を使い、エアエミネムの3着。

そのままトライアルは使わず菊花賞出走。

父トニービン、母父ヌレイエフ。距離に何の不安もなく、ダービー馬として・・・・・・力を見せる場。




皐月賞2着、ダービー2着。勝ち馬は変わっても、2番手だったダンツフレーム。

8戦4勝、2着4回。同世代の中でも圧倒的堅実馬。嬉しくもあり、悲しくもあった。


アフネスタキオンに負けたなら、仕方ないか? 皐月賞。

距離の壁を不安視されたが乗り切った、ダービー。


さらに高い距離の壁、3000m。春のクラシックに出番のなかった新勢力。

戦う場、競う相手はさらに厳しくなるかも・・・・・・、もう『2番』はイヤだ。


菊花賞トライアル・神戸新聞杯はプラス10㌔の馬体重。キレが鈍った4着。

鞍上にクラシック前に3戦(2勝)乗っていた武豊に戻り、今度こその『菊獲り挑戦』だ!




外国産馬クロフネはダービー5着から、菊花賞よりも2000m・天皇賞秋を狙うこととなった。

ならば・・・・・・というワケではないが、恐ろしく力を秘めていそうな外国産馬エアエミネムが、外国産馬初の菊花賞出走、勝利を目論んで登場してきた。

アイルランド産。2月、遅くにデビュー。6,1,1,8着のあと、駒草賞1着、巴賞1着、札幌記念1着、神戸新聞杯1着、4連勝。

札幌記念ではジャングルポケット、神戸新聞杯でサンライズペガサス、クロフネ、ダンツフレームと、世代の強豪を打ち破ってのクラシック登場だ!




春は、新馬戦から4連勝でスプリングSを制し、同馬主・同厩舎・同生産者アグネスタキオンの最大のライバルとなるか! といわれたアグネスゴールド。

皐月賞前に橈骨遠位端骨折で回避・休養。


骨折癒えて、神戸新聞杯から復帰。復帰戦は8着と惨敗したが、アグネスタキオンに勝るとも劣らない資質。

休み明け2戦目に期待は大きかった。




2勝馬サンライズペガサス。父サンデーサイレンス。

神戸新聞杯、7番人気で2着し、菊花賞出走を決めた。

父の血が、クロフネに、ダンツフレームに勝たせてくれた。




社台のセレクトセール、1億3千万円で落札されたサンデーサイレンスの青鹿毛。

父サンデーサイレンスに最も似ているといわれた。

『フサイチ』で知られる関口房朗氏により落札され、その後、『カフェ』の冠の西川清氏名義となったマンハッタンカフェだ。

半兄に産経オールカマー(G2)勝ちがあるエアスマップを持つ良血。


春は3戦目でマイナス20㌔、4戦目でさらにマイナス16㌔。馬体重を一気に減らしてしまい競馬にならなかった良血。

馬体重を回復させた夏から、1着、1着、セントライト記念4着。

やっと同世代とまともに戦える体となった。


勝ち負けよりも、その良血の血をどこまで出せるか?

マンハッタンカフェの心は・・・・・・・・・勝つ!




10月21日、菊花賞。

ビッグゴールド
マンハッタンカフェ
チアズブライトリー
ワンモアバンクオン
アドマイヤロード
メイクマイデイ
サンライズペガサス
エアエミネム
タニノトリビュート
マイネルデスポット
ダンツフレーム
テンザンセイザ
ジャングルポケット
アグネスゴールド
ダービーレグノ


1番人気ジャングルポケット、2番人気ダンツフレーム、3番人気エアエミネム。

4番人気サンライズペガサス、5番人気アグネスゴールド。



菊花賞3000m。どの騎手も意識する未知の距離。

前に行ったのは条件から挑戦してきたマイネルデスポットだった。

4年目の関西の若手・太宰啓介とともに、思い切ってハナに立った。


2番手は5年目、武豊の弟・武幸四郎が乗るタニノトリビュート。

3番手がチアズブライトリーだ。

エアエミネム・松永幹夫、メイクマイデイが内で続く。


中団から行くジャングルポケット・角田晃一、サンライズペガサス・池添謙一。


最初の正面スタンド前、歓声の中で上がっていったのはアグネスゴールド・河内洋。

かかったか?


中団後方、内へ入れたのはマンハッタンカフェ・蛯名正義だ。


ポツンと1頭、離れて行くのがダンツフレーム・武豊。

未知の距離。

最後方から、末脚に賭けるのか?



淡々と進む流れ。

1000m63秒0、スローペース。


向こう正面にやってきたマイネルデスポット。


後続は、押し上げてこない。

太宰は、勝負と決めた!


ジリッ、ジリッと引き離しにかかった。

気づかれず、悟られず。


先頭を行く条件馬。11番人気、単勝114.1倍の野望を、誰も気にはしないだろう。

マイネルデスポットの独り旅を、見逃してくれ・・・・・・・。



3コーナー。

マイネルデスポット・・・・・・5馬身・・・・・・タニノトリビュート・・・・・・7馬身・・・・・・・チアズブライトリー、一団馬群。



ビッグゴールドが動き、エアエミネムが動き、最後方からダンツフレームが動き、

流れが変わったのは、4コーナー手前だった。




タニノトリビュートがつかまり、後続が一気に押し寄せた4コーナー手前。

その前で、軽快にコーナーを回り先頭で大観衆の前に姿を現したマイネルデスポット。


ただ1頭、後続を引き連れる雄姿に驚きの大歓声が沸き起こった。



大外からジャングルポケット!

その後ろからダンツフレーム!


馬場のど真ん中、馬群を割って接近するエアエミネム!

さらに内から、馬群をすり抜けてきたマンハッタンカフェ!



懸命に、懸命に先頭を走るマイネルデスポット!


誰も、

追いつけないッ!


誰もが思った。

軽快にゴールをめざしていたのだ!



ゴール前100m。

あと、わずか。


青鹿毛、

父サンデーサイレンスに最も似た馬体が躍動した。


6番人気、

マンハッタンカフェだッ!


目覚めた良血。

蛯名正義のムチに鋭く、鋭く反応した。


アッという間に迫った!



ゴール前、

マイネルデスポットの、太宰啓介の野望を、

打ち砕いた!



1着マンハッタンカフェ

2着マイネルデスポット

3着エアエミネム

4着ジャングルポケット

5着ダンツフレーム



(つづく)