菊花賞にかける思い・・・・・・アグネスフライト、エアシャカール。

当然、2頭だけではない。



ダービー3着アタラクシアはダービーを最後に引退、無念さのなかで乗馬となった。


ダービー4着、トーホウシデン。

父ブライアンズタイム、母父ブラッシンググルーム。

距離延びてこそ・・・・・・。サンデーサイレンス産駒2頭の壁をブチ破る!


秋、セントライト記念をアドマイヤボスの2着。菊へ臨んだ。



同じブライアンズタイム産駒、エリモブライアン。

母エリモパッションの半妹にはオークス馬エリモエクセル。

『エリモ』期待の血統。

皐月賞6着もダービーは出走叶わず。ダービー当日の駒草賞を勝ち、菊花賞出走に繋げた。



3番目のサンデーサイレンス産駒として注目を集めたヒシマジェスティ。

祖母タケノダイヤはエリザベス女王杯2着。

未勝利脱出に7戦かかったが、未勝利勝ち後、1,3,1着。サンデー産駒の上り馬。



皐月賞4着、ダービー6着。つねに第一線で走り続けるジョウテンブレーヴ。

秋、セントライト記念3着からの挑戦だ。

がんばるだけの馬じゃない!

秘かに狙う、『善戦マン』からの脱却。



それぞれの思いを込めて、18頭の精鋭が京都・淀に集結した。




10月22日、菊花賞。

1.エリモブライアン
2.ダイワバーミンガム
3.ヤマニンリスペクト
4.ケージージェット
5.トップコマンダー
6.アグネスフライト
7.ホワイトハピネス
8.スプリームコート
9.ジョウテンブレーヴ
10.マッキーローレル
11.ゴーステディ
12.ヒシマジェスティ
13.トーホウシデン
14.マイネルビンテージ
15.エアシャカール
16.カリスマシルバー
17.フェリシタル
18.クリノキングオー


1番人気アグネスフライト、2番人気エアシャカール、3番人気トーホウシデン。

4番人気ヒシマジェスティ、5番人気ジョウテンブレーヴ。



ゴーステディがハナを切り、マイネルビンテージが追いかけた。

トーホウシデンが外から上がり、その後ろに付けたエアシャカール。

大外クリノキングオーがかかりぎみに前をめざした。


ホワイトハピネス、ダイワバーミンガム、エリモブライアンが列をなし、

その後ろにつけたアグネスフライト。中団で流れを見た。


中団後方にヒシマジェスティ、フェリシタル。

後方から行くケージージェット、ヤマニンリスペクト。

最後方からカリスマシルバーだ。



1周目正面スタンド前に入って、

先頭ゴーステディをめぐってマイネルビンテージ。

内に入ったトーホウシデン、その後ろ、内を行くエアシャカールだが、

外からクリノキングオー、ホワイトハピネス、マッキーローレルが前へ、前へと上がって行く。



1,2コーナーを回って、マッキーローレルがグングン行った。

ゴーステディに並び、交わし、先頭に立った。

ホワイトハピネスが3番手を行き、

4,5番手につけたマイネルビンテージ、クリノキングオー。

人気薄、伏兵陣が勝負を賭けて、主導権を取る。


トーホウシデン、ダイワバーミンガム、ジョウテンブレーヴが並ぶ。


その後ろにつけた内エアシャカール、外アグネスフライト。

アグネスフライト、河内洋の手が動く。波に乗れないのか?


3,4コーナー。

外から一気に上がって行ったのはジョウテンブレーヴだ!

前のマッキーローレルに襲いかかった。

続くのはホワイトハピネス。


動かない、動けない?エアシャカール。

外々を回って、先団に取りついたのはアグネスフライトだ!

ヒシマジェスティも上がってきた!


外からの流れが内を呑み込んだ。



直線、先頭に立ってゴールをめざすジョウテンブレーヴ。

内から詰め寄るホワイトハピネス。

外、アグネスフライト。

だが、止まった! 外の流れ。


アグネスフライトが伸びないッ!

河内の表情が歪んだ。


ジョウテンブレーヴ、ホワイトハピネスの間、狭い狭い中をやって来た。


エアシャカールだ!


武豊が、こじ開けたッ!


先頭に立った!


差を開く。


追ってきた。


エアシャカールと同じ、死んだふり。


トーホウシデンだ!


エアシャカールよ!武豊よ! 敵はここにいるッ!

田中勝春、渾身のムチが飛んだ!


エアシャカールに並びかけた。


エアシャカール、トーホウシデン、エアシャカール、激しい、激しい叩き合い。


内から伸びてきたエリモブライアン、ケージージェット、

再び息を吹き返したかのように伸びてきたアグネスフライト!


遅すぎた3頭。


4馬身前の優勝争い。


最後の最後、グイッと伸び切ったエアシャカール。


クビ差、トーホウシデンを抑え込んだ。



エアシャカール。ダービーハナ差負けが、悔やみきれなくなった。


皐月賞、菊花賞、2冠馬となった。


1着エアシャカール

2着トーホウシデン

3着エリモブライアン

4着ケージージェット

5着アグネスフライト


(つづく)