第1回ジャパンカップはアメリカ3頭、カナダ3頭、インド1頭からの7頭が来日した。

ホウヨウボーイ、モンテプリンスなど日本馬の代表8頭が迎え撃つ。


結果は、地方馬ゴールドスペンサーの5着が最高。

世界の厚い壁を思い知らされるだけだった。



第2回ジャパンカップでは、さらなる強豪が日本へやってきた。


アメリカからは68戦31勝、G1・12勝、世界的に注目を浴びるジョンヘンリー。

16戦5勝(G2・G3各1勝)ながら追加招待でやってきた伸び行く力、ハーフアイスト。


フランスからは世界的名牝エイプリルランがやってきた。ターフクラシックを6馬身半、ワシントンDCインターナショナルでは6馬身、G1を圧勝して来日。アメリカ・ジョンヘンリーとの対決が注目された。

フランスからもう1頭、ヴェルメイユ賞勝ちの牝馬オールアロングも参戦。


アイルランドからはスタネーラ、センチュリアス。


カナダから第1回ジャパンカップ2着のフロストキング。


ニュージーランド・アイルオブマン、西ドイツ・パゲーノ、イタリア・スカウティングミラー。

10頭の外国馬がやってきた。



日本馬は天皇賞秋を制したメジロティターン、アンバーシャダイが回避し、有馬記念へ直行。

天皇賞2着ヒカリデユール、3着カツアール、マイラーズカップ・高松宮杯・函館記念を勝ったカズシゲ、3頭の地方から中央にやってきた野武士が中心となった。

安田記念・七夕賞・牝馬東京タイムズ杯と3連勝中のシンボリ牧場の牝馬スイートネイティブ。

前年、皐月賞8着、ダービー19着、菊花賞10着、散々な成績も3冠を走り抜いたトドロキヒホウ。オールカマーで重賞3勝目を上げ、天皇賞秋4着でジャパンカップ出場を決めた。

やや手薄となったメンバーで、さらに豪華となった外国馬相手に、果たして日本馬は立ち向かえるのだろうか? 


大いなる不安感、そして、まだ見ぬ世界の走りに対する憧れ。ないまぜになって、それでも、得も言われぬワクワク感は隠せなかった。


それが、ジャパンカップだった。




11月28日、ジャパンカップ。

1.スイートネイティブ
2.オールアロング
3.カツアール
4.ジョンヘンリー
5.フロストキング
6.トドロキヒホウ
7.ヒカリデユール
8.スタネーラ
9.アイルオブマン
10.ハーフアイスト
11.エイプリルラン
12.センチュリアス
13.パゲーノ
14.カズシゲ
15.スカウティングミラー


1番人気ジョンヘンリー、2番人気エイプリルラン、3番人気オールアロング。

4番人気フロストキング、5番人気アイルオブマン。



日本馬カズシゲが逃げた。

先頭だけは何が何でも、カズシゲ・田原成貴、意地の逃げか?


外からパゲーノ、スカウティングミラーが続く。


内にフロストキング、外にジョンヘンリーが続いた。



オールアロング、エイプリルランは中団に付け、ヒカリデユールも付けた。


後方から行くカツアール。最後方にハーフアイスト。




カズシゲのペース。14頭の一団を引き連れ、カズシゲが逃げた。


3コーナーでジョンヘンリーが2番手に上がって、一気にペースが加速した。



カズシゲの外に、世界のジョンヘンリー。

そして、すぐ後ろに上がってきたのは日本の野武士ヒカリデユール。

内から上がってくるのはスタネーラ。

世界の名牝エイプリルランも押し上げてくる。



これが、ジャパンカップだッ!

場内は最高潮に達した。



直線、粘るカズシゲ、外に並んできたのはヒカリデユール。

ジョンヘンリーが下がり出した。


最後の坂を駆け上がったッ!


まだ粘るカズシゲ、並ぶヒカリデユール。


日本馬のがんばり、野武士たちの意地。



希望の光が見え始めた途端、

最内から一筋、大外から二筋、閃光が走った。



最内オールアロング、大外エイプリルラン、ハーフアイスト。


ハンパない世界の切れ味が炸裂した。

アッという間に、がんばる日本馬を交わして行った。


しかも、飛び出しかけて一旦は下がったスタネーラまでも、しぶとく差し返してきた。



第1回で思い知らされた世界の壁。


レース中、一瞬忘れかけた。


再び、打ちひしがれた日本勢。




いつの日にか・・・前を向くしかない。


1着ハーフアイスト

2着オールアロング

3着エイプリルラン

4着スタネーラ

5着ヒカリデユール



(つづく)