5月7日、天皇賞春


1.キームスビィミー 牡7歳
2.フイドール    牡5歳
3.タイヨウコトブキ 牝5歳
4.カツタイコウ   牡5歳
5.トウショウピット 牡6歳
6.オンワードガイ  牡5歳
7.アカネテンリュウ 牡7歳
8.サクラハード   牡5歳
9.ヒデチカラ    牡5歳
10.ロードエース   牡7歳
11.フミノオーカン  牡6歳
12.オオクラ     牡7歳
13.コンチネンタル  牡7歳
14.シンシティ    牡5歳
15.べルワイド    牡5歳
16.シュンサクリュウ 牡6歳
17.ケイシュウ    牡6歳


最高峰のレース、いまで言うならG1(グレード制導入は1984年)、8大競走。

古馬には天皇賞春・秋(芝3200m)、有馬記念(芝2400m)しかなかった。


しかも、天皇賞は勝ち抜け戦。1度栄冠に輝くと2度と出走できないレース。


それだけに栄誉は格別だった。



1番人気ベルワイド。父インディアナは後にタケホープを出す。ネアルコ系の長距離血統。皐月賞11着、ダービー6着、菊花賞4着、距離が伸びるほどに力を発揮してきた。

2番人気フイドール。名門・武田文吾厩舎の秘蔵っ仔といわれながら、クラシックはダービー3着が最高。5歳にして本格化を思わせる重賞を立て続けに3勝。黒鹿毛の美男子。

3番人気アカネテンリュウ。天皇賞春・秋3連続1番人気。7歳にして、主役の十字架から解き放された。見せるか、古豪の意地。

4番人気キームスビィミー。7歳、まだ15戦。遅れてきた大物。

5番人気シュンサクリュウ。32戦4勝、最低着順が6着という。いつも、いつも懸命。あくなき前向きさ。



大外、17番枠から行ったケイシュウ。

並ぶように上がって行ったのはベルワイドだった。


闘将・加賀武見が1番人気で先行策に出た。

どよめいた場内。


フイドール、キームスビィミーが内から続いた。


オンワードガイも続く。


アカネテンリュウが中団。後ろに控えたコンチネンタル、シュンサクリュウ。




内ケイシュウ、外ベルワイド。2頭分ほど内外に離れて先頭を行く2頭。

競り合っているようで、折り合っている。



向う正面、ベルワイドが単騎で先頭に立った。


グイグイと差を広げにかかる。


ケイシュウが遅れ、フイドール、オンワードガイが早くも必死になった。




合わせて上がって行ったのは、キームスビィミーだ。



中団から、外を通って上がってきたのは、アカネテンリュウだった。

若僧に、負けてられないッ。



4コーナーを回って、衰え知らないベルワイド。


アカネテンリュウの伸び脚が霞んだ。



ただ一頭、食らいついたキームスビィミー。


逃げるベルワイド。



2頭の叩き合い。



徐々に追い詰めるキームスビィミー。




ベルワイド、4歳時、クラシックで負けて負けて培った、ここ一番の悔しさ。


その思いを、ぶちまけた。


もうこれ以上、負けて、られるかぁぁぁぁあああーッ!




1着ベルワイド

2着キームスビミー

3着アカネテンリュウ

4着トウショウピット

5着シュンサクリュウ



新馬から手綱を取り続けた闘将。


あふれる気迫が、ベルワイドを突き動かしたのかもしれない。



(つづく)