要塞にブチ込んだ元気玉。

吹き飛ばした、要塞。


鵺の大群の飛び出し口を破壊したばかりか、鵺のバーチャル装置をも壊滅したかもしれない。

いま戦っていた鵺たちが、一瞬に消えた。


「おおっ、コウヘイ、見事じゃ。よくやった」

「フゥーッ、終わったか」

「いや、まだじゃ。鵺は消えたが、バーチャルのこの世界は消えとらん。あの要塞へ行こう。すべてを叩き潰さんと、我々は現実に戻れん」



要塞へ向かった摩訶不思議探検隊。

「ありゃりゃ、凄いやん。よう潰してるな」

「ホント、見事に吹き飛ばしてるね、コウヘイ」

「いや、もう無我夢中。なんにも考えなかったよ」


見事なまでに破壊された要塞。


中心部に残った機械設備。


全員が降り立った。


スーパーサイヤ人のオーラが消えた。

「うっ、わしたちのバーチャルな力が消えた。いや、消されたか。気をつけろ」


『遅いわ! もうお前たちは逃れられん。このバーチャルな世界で塵となれ』

低く鋭い声が響き渡った。


しゃべっているのは機械だ。機械から声が発せられている。

「なんなんだよ、てめぇ。この機械野郎が」

『フッ、フッ、フッ、元気なお嬢さんだ。いつまで持つかな、その元気さが』

「うっせい! ぶっ潰してやる!」

動きかけたナミ。が、動かない。足が地に張り付いたように、動かない。


「しまった! わしたちの足が動かんようにされとる」


『わかったかな? もはやお前たちは意のままには動けん。機械である私に支配された」


破壊し切れなかった要塞。

バーチャルな世界の根源の機械が逆襲を狙っていた。


どうする、摩訶不思議探検隊。


(つづく)