『サラマンダーの庭』サラのブログへ ようこそ☆彡

 

命運を分かつ山脈越え

 

ガンの群れ(と小人にされてしまったやんちゃ坊主と

ガチョウ)の、渡りの旅路を描いた

「ニルスの不思議な旅」という小説は、

 

私は子供の頃、アニメで観ましたが、

必ずしも児童文学という位置づけの作品ではなく、

スウェーデンでは ”国民必読の書”とされているそうです。

 

 

 

親の言いつけを守らず、どうぶつたちに意地悪をして

ばかりいる性悪な少年が、鳥たちと協力し合いながら

厳しい旅を続ける内に、思い遣りのある少年に

成長していく物語 でもありますが、

 

渡り鳥目線(俯瞰)で、国土の豊かで厳しい自然や、

各地方の独特の景観や そこに生息する生きものたち、

人々の間に伝わる風習や 古い神話などが

実に生き生きと描かれていて、

 

彼らと一緒に冒険の旅をしながら、ついでに いつの間にか

国中の風土を詳しく知ることも出来るから でしょうか。

 

(また、原作は 子供の読み物としては、かなり暗く

シビアな部分もあるかな と 個人的には思います。)

 

 

 

 

ガンの群れに隊長はいるのか

 

物語には、様々な 個性的な鳥達や 動物が登場します。

 

少年ニルスが共に旅をすることになった

渡り鳥の群れを率いる 年配の雌鳥アッカは、

えばり散らすことなく、冷静な判断力を持つ雁で。

しっかりした 皆が信頼してついて行けるリーダーです。

 

子供心に すてきな隊長だなーと思いながら

観ていました(大人達は、こういうまともな上司なら

いいのにな…ため息 と思いながら 観ていたようです)が。

 

 

 

一説によれば、

 

“雁の群れには とくに決まった隊長というものはなく、

また 渡りの経験を積んだ年長者が率いるわけでもなく。

 

渡りの時期が来ると、同じくらいの年齢の鳥たちが

ある日なんとなく一斉に飛び立って行く…というのが

群れの真実らしい。

 

(小説でもアニメでも)ニルスの不思議な旅では、

アッカ隊長があんなにも魅力的に、

そしてリアルな渡り鳥の旅のように描かれているけれど、

夢を壊すようだけれど 実際のところはそんなもの。“

 

だそうです。

 

 

 

ちなみに、アニメでは アッカ隊長と呼ばれ、

小説では 厳密には ケブネカイセのアッカは

群れの隊長とは呼ばれていませんが、

実質、群れの仲間にとっては (読み手にとっても)、

彼らを指揮するリーダーとして 描かれています。

 

 

 

はたして 雁の群れにはリーダーはいるのか いないのか。

リーダーがいないのに、群れは あのように統率が取れていて、

きれいな雁行を作れるものなのか。

 

 

ガンについては 本当のところどうなのか

わたしには 分からないのですが、

 

 

 

 

白鳥の群れの命運を分けるのは

 

これもかなり昔のこと(もしかしたらまだロシアではなく、

ソビエト連邦だった頃かも知れない)、

日露共同で、白鳥の渡りの 実態調査をした事がありました。

 

その調査結果は、けっこう残酷な実態を示すものであり、

鳥どころか 蝶々さえも 海を越えて渡りをするけれど、

その旅路は やっぱり安易なものではない、

 

あらためて 渡り鳥の旅は過酷だなあと

痛感させられるものでした。

 

 

 

 

白鳥の渡りの追跡調査

 

その調査方法は、北海道や東北地方と、

ロシアとを行き交う渡りをする

いくつかの白鳥の群れをターゲットにして、

 

目視の観察のほか、

何処にいるのか位置を特定できるよう

数羽に発信機をつけて、

両国の専門機関や大学などの調査チームが、

 

それぞれの群れが、一体どの経路を使って、

どの位の期間をかけて、渡りをするのか

の謎を追う、というものでした。

 

 

 

極寒の地(?)ロシアから、北海道へ。

どの群れも、どうやら

少々過酷でもルートは最短距離で行こうが、

危険を回避しながら慎重に進もうが、

どうしても乗り越えなければならない難所、

ウラル山脈越えにぶち当たります。

 

その時、リーダーの経験値がものを言い。

何度かこの旅を経験している優秀なリーダーが

率いる群れは、一発で この難所を越えて行くことが

できますが。

 

 

 

経験の浅いリーダーが率いる群れは、ここで

風に押し戻されてしまい、旅は停滞してしまいます。

 

山脈の頂上上空では、気流が発生し、厚い重い壁となります。

上昇気流ならまだいいのですが、山おろしの風となると。

鳥の羽ばたきの力では、空気の壁に押し戻されて先へ進めず、

引き返すしかありません。

 

 

 

山越えの秘策は

 

実は、高い山脈をこえる為に、上空高い所まで

飛ばなければならないのですが、その際、

山頂ギリギリの高さでは まだ足らず、

 

山脈よりも さらにうんと高度を上げれば、

アゲィンストの風の影響を受けずに済みます。

 

それを知っている鳥が率いる群れは、

一見無駄な程に思える高さまで上昇してから、

一気に山脈越えを果たします。

 

 

 

しかし、ただでさえ相当高い山脈、その高さまで

高度を上げるのも大変なのに、それ以上高い所まで

さらに上げようなどとは なかなか思いつかないもの。

 

“高度を上げれば風の壁に当たらない”

ということを 経験上知っていなければ、

合理的に 出来るだけ無駄な消耗を抑えて、

安全に行こう、と思うのが 人も鳥も普通でしょう。

 

 

そんなわけで、幾つかの

若い経験の浅いリーダーが率いる群れは、

風に阻まれて引き返しては、果敢にも

また風の止みそうな時を狙って 山脈越えにトライする、

を 同じ高度で繰り返します。

 

その内に体力を消耗し、寒期も進んで行きます。

 

 

 

そして 残念ながら、その年、そうした群れの鳥は、

一羽も北海道には やって来られませんでした。

 

発信機からの信号は、

ウラル山脈を前にして、群れごと全滅したことを

示します。

 

 

 

渡りの危険は、外敵や 思わぬアクシデントによる怪我や

迷子になって群れからはぐれたり、エサ不足、寒さなど、

色々あるとは思っていましたが。

 

 

群れから脱落したから4ぬのではなく、

 

「山脈越えが出来ないと、群れごと全滅」

 

というのは わたしには

予想外で、かなり衝撃的な結果でした。

 

 

 

そして、その群れの生死を分かつのは、飛行高度。

すなわち 群れのリーダーがそれを知っているか否かに

かかってくる。つまり 命はリーダー次第である。

 

隊長が判断を誤れば、その群れは全滅し、

一羽も目的地に到達できない という厳しい事実。

 

 

 

これを知った時、(渡りは大変だな)と、

 

アッカは 架空の存在なのだけれど、

ついつい、(この群れにも アッカ隊長のような

経験と知識と 統率力のある隊長がいたらなぁ)って

思ってしまいました。

 

 

 

 

春 ハクチョウが飛来して

 

以前、越冬地の出身の人が、

渡って来る白鳥の鳴き声を聞くと、

ああ 春が来たってほっとする と言っていました。

 

 

長野の水田にも、水を抜くのを忘れていると

時々白鳥が休息にやって来るそうです。

(朝からうっせえんで 様子を見に行ったら、

4羽のオオハクチョウが 来ていたそうな)

 

優雅なような、近くで接すると 逞しいような…

どうもあの姿を見ると、そんな過酷な旅をしてきたように

思えなかったのだけれど、

 

それを知ってからは、今年も 無事にやって来られてよかった

と 思うようになりました。

 

 

 

アニメ版の 最終回の後半を見つけたので、貼っておきます(ネタバレ注意)。

 

(アニメが出る前は、『ニールスの不思議な冒険』だったような気がする。

今はどうだか知らないけれど、以前はお札にも、ガチョウのモルテンに乗った

小人三角帽子のニルスが描かれていた程の 国民的文学作品です。

原作の方は、自然の情景描写は美しいけれど、全体的に厳しい視点で…

わたしは アニメの方が好きでした。)

 

 

 

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