名刀紹介 肥前國住人伊豫掾宗次(初代)

刀 461 肥前國住人伊豫掾宗次(初代) - Hizennokuni junin Iyonojo Munetsugu(Founder) -
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初代伊予掾宗次は、堺三右衛門と称し、代々長瀬村(初代:忠吉の出身地)の天満宮の神職にあたった家柄と伝えられ、のちに佐賀城下の長瀬町に移って鍛刀し、さらに肥前諫早に転じたと言われています。
伊予掾受領の時期については、宗次の子孫である境家に伝えられている古文書の中に、「伊予掾宗次系図」が存在し、それに拠れば慶長11年とあり、伊豫掾を冠した慶長12年紀作が在ることから見ても首肯されます。
作風は、肥前刀工群中にあって特異な存在であり、地刃がよく沸づき、盛んな乱れを焼いて尖り刃を交え、金筋・砂流し等がかかるなど、相州伝、とりわけ志津風の作域をあらわし、また肥前刀一般が帽子を直ぐに小丸に焼くのに対して、その殆どが乱れ込んだものとなっており、中心仕立も相州伝を意識した為か、刃方の肉を落としたタナゴ腹風のもので、指表に独特の銘字をきることを通例としています。
本作は、乱れ刃が多い同工に珍しい直刃調で、帽子も直ぐに焼かれています。青みがかった地鉄は小板目に杢交じって地沸つき、刃縁は柾に流れ、大きな肌が肌立ち、地斑交じり、総体に映りが立って、特に元の方は映りが鮮明に現れています。
匂口は明るく、小沸本位で良く沸づき、細かな足が随所に入って、先の方では小乱れとなり、刃縁に砂流顕著に現れ、小川のせせらぎを見るが如く、まさに砂流という名称に相応しい刃中の働きは見事で、大和色濃い古作の志津に倣った作であることが鑑せられます。
附属の半太刀拵は黒を基調とした無骨な拵で、武辺の士に相応しく、縁頭や鐔は、高肉彫りではなく、嵐の中を飛び交う雁の強き姿を片切彫りで表した、手擦れしづらい造り込み。鐔は埋忠在銘でシンプルながらも赤銅の覆輪が格式の高さを示しています。
乱れ刃主流の伊豫掾宗次初代にあって、非常に珍しい、この直刃調の古作写しの宗次は、肥前刀と備前刀を収集していた某コレクターの遺品で、同氏逝去まで長らくその膝元で愛玩されておりましたので、これまで売りに出ることはなかったコレクター秘匿の名品です。この機会をお見逃し無く。
裸身重量829グラム。拵に納めて鞘を払った重量1,126グラム。
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