昨夜の本部道場定例稽古 | 平成の侍 町井勲オフィシャルブログ『居愛道』Powered by Ameba

昨夜の本部道場定例稽古

昨夜の本部道場定例稽古




体験者一名。

本部道場での体験者来訪は本当に久し振り。


居合に関しては全くの未経験とのことで、かえって教えやすい。


自宅から川西の本部道場までは一時間二十分ほどかかるらしいですが、体験終了後、即入門希望との嬉しい申し出を頂きました。


お恥ずかしながら、“町井勲”と言う名は、海外にも一人歩きしているのですが、修心流居合術兵法や修心館の知名度は低く、門人は減りはしても増えはしません。

そのため交通便の悪い本部道場は特に閑散としており、正直、体験や見学のお申し出があると、あまりにも少人数すぎて格好がつかない有様です。

それでも、僕の持つ業を求めてあしげく通う数少ない門弟達。
ありがたく、可愛いものです。

昨夜の稽古課題は『組居合』、二人一組で鞘付木刀で実際に打ち合う実戦想定の居合形です。

通常は門弟同士二人一組で組ませて稽古するのですが、近頃は門弟達の技術向上を図り、打太刀を僕一人で行い、順に門弟達の業を受けることが多くなりました。

一人一人を順に受けるので、それぞれが実際に稽古できる時間は少なくなるのでしょうが、門弟同士で稽古するよりも、断然、理合と物理現象については解り易く、習得しやすいものと思います。

突然の思いつきから増え続ける修心流の各形ですが、組居合は現在九本。
昨夜の稽古では流石に全九本は稽古できず、七本までの稽古。

稽古終了間際で九本目を一回ずつ行ったのみで終りました。


で、入門を申し込んだ今日の体験者ですが、居合未経験者とは言え、古武術には興味があるようで、他の道場・団体のセミナーに参加したことがあるとのこと。

自分の軸、相手の軸を意識した僕の居合に、非常に興味を持っていただけたことが嬉しいですね。



さて、戦前の良質玉鋼購入資金集めのために突如企画した、緊急特売の武用将平ですが、限定4振のうち、早くも2振がご契約となり、残り2振のみとなりました。

先にもお知らせいたしましたが、外装と研磨に関しましては、武用専一の数物仕様ですので、はっきり言って美術的価値は非常に低い仕上がりとなります。

作刀の素材を落とす、作り方を変えると言ったコスト削減ではありません。刀身は地刃共に優れた出来口であることを保証致しますが、極端な低コストで御紹介さしあげる陰には、高級幅広模擬刀の刀身を本身と差し替え、バフ研ぎにて刃文を出しただけの仕上がりとすることで、特価100万円を実現した次第です。

試験的に某所に出したバフ研ぎの仕上がりを見ましたが…


正直な感想は…

う~ん………

僕は研磨の仕上がりに満足できません。
所詮はバフ研ぎです。ピカピカ光っていて、鎬や小鎬がだれて、まるで加工前の模擬刀のようです。
刀らしいメリハリは皆無。

切味を試しましたが、バフ研ぎは入念な手研ぎに比べ、圧倒的に劣ります。

表現が悪いですが、コスト削減にはそれなりにデメリットが生じるもの。将平刀の切味を100%引き出されたい場合は、誠に恐れ入りますが、特価100万円とは別に、本研磨代を別途ご考慮頂いたほうが良いでしょう。

更に将平刀の本領を発揮させたければ、美術観賞用上研磨、あるいは町井研磨(僕が下地から全て行います)がお薦めですが、町井研磨は納期のお約束ができません。※業務多忙につき、研磨に充てる時間が思うようにとれないため

それでもいいと言う気長な方は、町井研磨御相談ください。※お安くありませんが… むしろお高いです…

あと、町井研磨ですが、武用刀の場合、化粧は致しません。#1000番(改正砥相当)或いは内曇までとさせて頂きます。

偏屈で申し訳ありませんが、手指傷つけながら丹精込めて仕上げ研磨まで施した刀で、物切りされるのは辛いのです。

願わくば、町井研磨で仕上げまで施した一刀は、いざと言う有事の際に、ご自身や御家族を守るべく、敵と渡り合わなければならない場合にのみ実用頂きたい。

勝手なことを言って申し訳ございませんが、11年程昔、丹精込めて研ぎ上げた一刀で、目の前で試し斬りをされた時、素人目にはわからない程の浅いヒケ一つ残さず研ぎ上げる苦労を、一瞬で無にされたことで、武用刀に対する美術研磨に虚しさを覚えてしまったのです。

以来、僕は自分の愛刀にも、門弟の刀にも、仕上げは行ったことがありません。せいぜい入念に内曇をひくにとどめるのみと自分の中で決めました。
御理解頂けましたら幸いに存じます。







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