正倉院蔵手鉾について(将平再現手鉾販売のお知らせ) | 平成の侍 町井勲オフィシャルブログ『居愛道』Powered by Ameba

正倉院蔵手鉾について(将平再現手鉾販売のお知らせ)

正倉院蔵手鉾について(将平再現手鉾販売のお知らせ)



これまで祭祀用との見解が強かった正倉院の手鉾が、武器として成立するのかを考証すべく、名匠、藤安将平師の依頼により、僕と初心者を含める門弟によって様し(ためし)を行いました。

僕の私的感想としては、「修練を積んでいない者ほど威力を発揮できる武器でああり、にわかに兵を集めた場合に有効である。」という物です。

剣や横刀(たち)を使い慣れた者は、柄の後方を持って刀風に用い、股関節の抜きや弛みを体得できていない者は、幅を広く持って、長柄風に扱うことで、驚く程の斬撃力を発揮します。

考えてみれば奈良時代には防人(さきもり)なる制度があり、普段は農耕作業を生業とする者が徴収され、兵士として一定の期間働かなければなりませんでした。

皆さんも歴史の時間に『防人歌(さきもりのうた』と言うのを耳にしたことがあるでしょう。

この時代、朝廷は戦闘に長けた兵士を育てるよりも、兵士の数に頼ったと言われています。

農耕を生業とする者にとっては、剣や横刀(たち)よりも、鍬に似た長さと形状の武器の方が扱いやすかったのかもしれません。

そう考えると手鉾の刃先が俯いた形状は、どこか鍬に似ていると思いませんか?


実際に様したところ、僕や試斬上手な門弟は、刀のように柄を持つ間を詰めて使用すると、良く切れましたが、柄の間隔を空けて持った場合には、かなり斬り辛く、斬り損じが多発しました。

一方、試斬経験がない初心者や、普段は腰を捻る癖があって、上手に斬ることができない門弟は、ピュッっと軽快な音を立てながら見事に斬っていくではありませんか。それもほぼ斬り損じがありませんでした。

単なる祭祀用のためのデザインかと思われた、手鉾の異形状ですが、古の人達の創意工夫により、計算されて生まれた武器だったのかもしれません。


手鉾作刀法再現のため、藤安将平刀匠によって打ち上げられた手鉾2号



使用法及び斬撃力考証のために用意された、将平作の手鉾1号



尚、正倉院手鉾に関し、NHK『日曜美術館』にて、藤安将平刀匠の作刀及び様しをご覧になれます。

本日、11月9日、20時より再放送されますので、是非ともご覧になってください。


また、番組中で再現鍛錬された手鉾2号は、『美術刀剣 刀心』にて販売されます。刀剣を趣味にされている方、飛鳥時代や奈良時代など、古代史や古代文化を研究されておられる方にも、同時代の研究資料として価値ある逸品です。

お求め安い特別価格にてお譲りいたしますので、ご希望の方は是非お求め下さい。


忠実に再現された拵付きで100万円(税別)、美術研磨仕様の場合は120万円(税別)にて販売致します。













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