現代刀に思ふこと(失われつつある日本刀としての機能美) | 平成の侍 町井勲オフィシャルブログ『居愛道』Powered by Ameba

現代刀に思ふこと(失われつつある日本刀としての機能美)

これまた渓流詩人さんが、現代刀に対する意見を記述されています。
http://blog.goo.ne.jp/kelu-cafe/e/220b56bdddf09f38a82b1c30f6807509

つい先日、僕が某流師範から聞いた話でも、華美な作を鍛えることで著名な現代刀匠の作が、軽く樫材に打ちつけたところ、広範囲に渡って刃が外れてしまい、うつむいてしまったとのこと。

当然ながら刀として再生不能。

件の刀を鍛えた刀匠の師は、現代刀匠では絶大な実権を握る某無鑑査刀匠。

刀にはそれぞれ個体差があり、弟子が師を越えることもあれば超えることができないこともあるので、一括りには言えないですが、かねてより他からも、観賞用としては良いかもしれないが、刀としては使い物にならない。と言う噂は耳にしていました。(某無鑑査刀匠の作を含む)

僕は居合や試斬を嗜む都合上、人からよく、

「海外では中国製を含む海外製の日本刀モドキが幅を利かせている。由々しき問題だ。」

と言う意見を聞く。

「日本の武道なのだから、れっきとした現代刀匠が鍛えた作を使用して初めて日本武道でしょう。」

とも言われるのですが、そこですかさず返す言葉がいつもこうです。

「残念ながら中国製日本刀モドキの方が実用的には上ですからね…」


訝しく思われる方もおられるかもしれませんが、これは悔しいけれど事実なのです。

現に僕は中国製日本刀モドキを試したことがあるのですが、材質こそ洋鉄なれど、洋鉄には洋鉄に適した焼き入れがあるそうで、とにかく粘る!

鹿の大腿骨を指で押せば倒れる様な、不安定極まりない状態で設置し、それに切り込んだところ、2ミリ程の深さの刃毀れをきたすも、それは刃毀れというよりは大きな刃捲れ状態でした。

土壇斬のように大腿骨を据え置き、真向から振り下ろしていたなら、恐らく容易に両断していたのではないかと思います。

同じことを様々な現代刀で試せば…

果たして同じようなことになっただろうか?


僕は全ての作を試したわけではないので、どの刀工の作が良いのか未知ではありますが、自身の手で荒試しをさせて頂いた経験から言うと、藤安将平刀匠の作なら、いざと言う時に命を託すことができることだけは確信しています。

他にこれまで使ってみて、強いと感じたのは宗勉刀匠の作です。

過去、テレビ東京系の番組の中で、時速130キロの野球の硬球を居合斬りにして見せた際に使用したのが宗勉刀匠の刀ですが、軟球と違って中がぎっきりと詰まった硬球が、回転しながら飛んでくるのに、その回転と硬さに負けることなく、撓りながら両断しました。
※ジキシン刀剣の笹露とは別物ですよ(笑

上に掲げた某刀匠の作で同じことを行えば、恐らく当たった瞬間に刀が折れていたと思います。


他に刀としての機能美に優れている刀としては、使用したことはありませんが、小林康宏刀匠の作は、かねてより斬鉄剣との異名で知られていますね。


藤安刀匠の作も絶対かと言えば、粘りがある=曲がる と言えるので、散々鉄パイプを試した際、物打以外のところで切り損じた時には、反り返る、俯くと言った姿の変形は起こります。

刀には一番強い箇所があり、これが物打なのです。

多くの刀剣書籍には、切先から30センチ程までを物打として記載されていますが、実はこれは大間違い。
上述した通り、刀の物打は広範囲ではなく、唯一箇所だけなのです。


その昔、現代刀の新作刀コンクールにおいて藤安刀匠が発した一言から、技量高く、既に無鑑査、或いは人間国宝になっていてもおかしくない実力の持ち主でありながら、藤安刀匠は蚊帳の外においやられ、現在も不遇の中、作刀に勤しんでいます。

問題視されたその一言とは

「見た目華やかな刀ばかりが上位入賞していますね。協会で応募作品を全て買い上げ、実際に試してご覧になっては如何ですか? ここに展示されている刀の7割程が折れるか使い物にならなくなるでしょう。」

でした。
これに激怒したのは言うまでもなく、当時権力を持っていた著名刀工達です。

以降、藤安刀匠は正しく実力を評価されることなく不遇の中に槌を振るっておられます。


藤安刀匠の技量の高さを証明する実績としては、現在無鑑査に認定されている宮入小左衛門行平こと、宮入恵氏が藤安刀匠の下で作刀修業をしたことが挙げられます。

宮入恵氏は藤安刀匠の師である宮入昭平(行平)刀匠の御子息です。昭平刀匠は多くの弟子を輩出しました。
http://tetsu.town.sakaki.nagano.jp/yukihira/yukihira.html
その中から御子息の作刀修業先として選び、託されたのが藤安将平刀匠です。

本来ならば宮入恵氏の師である藤安刀匠が、先に無鑑査に認定されるべきだと思うのですが、藤安刀匠は現在も無冠のまま。
弟子である恵氏が宮入一門後継者として無鑑査に認定されています。

数多の現代刀より中国製日本刀モドキのほうが優れている…

この現実を払拭し、刃物の王様日本刀の地位奪回のためにも、現代刀匠には観賞重視の刀ではなく、実用美も兼ね備えた本物の日本刀の鍛錬を研究して頂きたいと強く願ってやみません。

ご自身の作刀の強さを試されたいのであれば、僕にお送りくだされば、試しのお手伝いをさせていただきます。


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