昨夜の稽古 | 平成の侍 町井勲オフィシャルブログ『居愛道』Powered by Ameba

昨夜の稽古

昨夜の大阪豊中岡町道場稽古





予期せぬ来客のため、出発時刻が大幅に遅れ、僕直伝の稽古開始は30分遅れました。

これは嫌味ではなく、お客様に対するお願いです。
御来店到着予定時刻が大幅に遅れる場合は、必ずご一報ください。

刀剣販売のみではなく、居合の指導、買取訪問、時には研磨と、一人で何役もしておりますので、僕にも予定がございます。
美術刀剣 刀心は、完全予約制ですので、上記お時間のご配慮を宜しくお願い致します。また、御来店には、勝手ながら30分から1時間と時間をお決めください。他の作業が滞らぬよう、ご協力をお願い致します。
※御刀ご購入に関し、迷われての時間延長に関しましては、僕も時間の許す限り対応させていただきますが、近頃多くなった単なる武術談義(居合に関する質疑応答など)はご遠慮くださいますようお願い申し上げます。

なにぶん一人で八人の子供達を養っている身です。仕事をさせてください。



さて、到着が遅れたその間、門弟達には携帯電話から指示を与え、二人一組で稽古してもらったわけですが、30分送れた分だけ、お詫びに内容の深い稽古を行いました。

今日の稽古課題は、修心流組居合形、1~3本。

一本目の請流での極意。

二本目の中心立てにおける身体捌きと、打太刀の仕掛け方。

三本目の小手返での業のかけかた。


等々、人が数年かけて身につける術理を丁寧に指導。


修心流は居合柔術においても、全て剣の理念で解説します。

まずは小さな動きで形通りにやってもらうのですが、なかなかできません。

小さな動きで相手を倒すことができない初心者向けに、相手の肩を抜くことに重点を置き、敢えて大きな動きで相手を倒すことを身につけさせます。

そこで肩への働きかけが解ってきたら、それをどんどん小さくしていく。

最終的には敵の右手に触れた時点て相手を倒すことを行います。

倒すと同時に上から水月を突く。或いは肘裏や手首に刃を当て、倒れる相手の動きを利用して動脈を斬る。


巻藁試斬なんぞ必要ありません。敢えて切断しないことを目指すのですから。


映画などでは、スポーンと手首や首を斬りおとす方がグロく、えげつないように映りますが、実際の戦闘に於いては、切断せずに動脈を斬ることの方が、相手を確実に死に追いやることができるのです。

腕は完全に切断すると、人間の生存本能から、身体が傷口へ血液を送ることをやめ、傷口は締まって出血を防ぎますが、中途半端に動脈だけを斬られた場合、心臓は血液を送り続け、およそ3分で人は動けなくなるか、死に至ります。

動脈斬って、後は三分間全力で逃げ回っていれば、自ずと勝負はつくということです。


近頃僕の心を痛ませる切り屋の刀の使い方とは根本的に異なるのです。


21時からは時間を1時間延長して、斬稽古を行いました。

一人当たり半畳巻2本しか斬らせません。

真剣に稽古していれば、たった2本でも、かなりのことを学べます。

巻藁を前に刀を構える門弟。その2メートル程先に僕が立ちます。

振りかぶった瞬間、

「これじゃ刀が傷むだけ」

と瞬時に判断できる僕は、振り下ろすことを止めさせます。


手を取り、構えを修正します。
何度も何度もそれを行い、ある程度身についた時点で試斬再開です。

そうやって確実に刀を傷めない使い方を指導するからでしょう。本来なら他人、特に初心者には己の愛刀など貸すものではありませんが、この日の稽古では、遅延で慌てて稽古場へ向かったため、うっかり道場の御貸脇指を持って行くのを忘れてしまったのですが、柳原君の厚意により、彼の愛刀を、西田さんとうちの長男に貸してもらえました。

愛刀が傷められる心配がない、絶対の信頼関係があるからこそ、柳原君は愛刀を貸してくれるのです。


このブログを読んでいる方で、試斬をされる方、あなたは初心者に己の愛刀を貸せますか?

あ、愚問でしたね。切り屋連中は愛刀精神もクソもないので、安易に貸し借りしますね(苦笑

心得ある人は、絶対に貸したくないはずです。


僕は先のブログ記事に挙げた、コリアン系アメリカ人と、某流派道場の連中には絶対に愛刀なんて貸せません。愛刀でなくてもです。触れて欲しくさえありません。


この日の稽古で愛刀を快く貸してくれた柳原君には、

「今度、俺の愛刀、将平と宗勉で巻藁に一太刀入れさせてやろう。」

と、僕は僕なりに礼を尽くす約束をしました。


勿論、柳原君が僕の愛刀で一太刀入れるこをと許せるだけの実力がついており、信頼して預けることができるからこそのことではあります。

武士道における礼節。


愛刀には愛刀をもって返す…


師弟間と、その実力に絶対の信頼関係あっての礼です。













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