今日の稽古 | 平成の侍 町井勲オフィシャルブログ『居愛道』Powered by Ameba

今日の稽古

今日の稽古の課題…


奥居合座業一本目『霞』



道場や教える先生方によって、想定が異なるようですが、修心館では一の太刀で膝下を、二の太刀で足首を斬ると教えています。


実際の戦闘では、別に場所などどうでもよく、切先が届く場所を狙えば良いのですが、形は形。それぞれの想定にのっとって稽古しなくてはなりません。


上述のように膝下と足首と限定しているのは、臑当の隙を狙ってのことです。


臑当の構造を御存知の方ならすぐに察しがつくでしょう。


鉄鋼が並んだ臑を狙っては、刀が壊れるばかりです。

臑当は鉄鋼が並んだ部分と、亀甲形の鉄鋼を縫い込んだ部分に別れます。


一の太刀ではその隙間を狙うわけです。


僕がテレビで小さな対象物を斬って見せたりしますが、それがこの隙間を狙うという稽古の産物なのです。


5ミリや1センチに満たない僅かな臑当の隙を狙って斬り、返す二の太刀で足首を斬る。
完全に両断することが目的ではなく、敵の脚力を奪うのが目的となります。

筋を斬られた敵は立つことができなくなります。そうすればあとはこっちのものというわけです。恐ろしくもむごい業と言えるでしょう。



今日の稽古では二の太刀までの動き、そして二の太刀の動きを徹底的に稽古してもらいました。


居合形の演武を見ると、殆どの方が手首で返し、二の太刀を繰り出しますが、僕の居合術理念としては、これは大間違いであり、実戦では役にも立たないものと認識しています。


これ以上は実際に道場に足を運ばれる方にしかお教えしませんが、霞という業は刀に限らず、体術としてもじゅうぶん効果があり、いわば刀を使った身体操作の稽古法と言えます。



気になる方は修心館で学ばれて下さい。
目から鱗必至となるでしょう。