千手院の古剣
千手院は大和五派の中でも最も古い流派で、現存するものの殆どがうぶ無銘や磨上無銘ばかりです。
この剣は鎌倉時代初期の作と鑑せられる古剣で、第25回重要刀剣に指定されている名品中の名品。
800年程昔に鍛えられた剣が、朽ちることなく健全な姿をとどめたまま、未だその輝きを失わずに神々しく存在するのは、世界広しと言えど我が国日本だけです。
古の人達が、いかに刀剣に精神性を求め、大切に受け継いできたかがよくわかります。
一振の刀に対し、研磨をするのは、一代に一度だけだったとも言われています。
現代のようにやたらめったら研磨をすることはなかったのでしょう。
それだけ錆を招くことなく、大切に受け継がれてきた証拠です。
研磨の必要がない刀が、コンクールという建前の下、また、無作法な所有者や刀剣商や骨董商によって、無駄に目減りしている今の時代は、刀剣にとって受難の時代と言えるのではないでしょうか。
この千手院の剣は、どうか大切にご所持くださる方の元へお嫁入りさせたいと切望します。
ご興味ある方はこちらから詳細写真をご覧下さい。